エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2018/12/21

【インタビュー: OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND】BRAHMANと共存させてきたOAUの歩みと現在、そして年明けのライブについてTOSHI-LOWに訊く。

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――この夏は「New Acoustic Camp」の公式テーマソングとなる『MIDNIGHT SUN』が発表されました。OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(以下、OAU)の新音源としては4年ぶりのリリースとなりますね。

 

「自分たちは、(新作を)1年に一回出さなければいけないとは思っていないので、4年がそんなに長いとは思っていないんです。逆に世の中のサイクルが早すぎるんだと思います。あと、やっぱりBRAHMANの活動があるので、どっちも共存させていくためには(リリースのスパンも)長い目で見なきゃいけないと思っていて。そうすることによって、OAUみたいな音楽は光ってくるのかなと。木に年輪があるように年月をかけないと響かない音楽なのかなって思います」

 

――OAUは活動されて13年経ちますが、バンドとして現在はどういう状態ですか?

 

「何をやるにしても、3年は経たないと基本ができないじゃないですか。10年でやっと一人前じゃないですけど、やっと自分らしくできるようになる。そこからさらに発展させていくために、20年、30年ずっと勉強だと思うんです。バンドもそうで、OAUも10年越えて、今やっと自分たちのやりたかったことがやれている状態です。エレキでやっている音楽とアコースティックでやってる音楽は、野球とサッカーくらい違うんですよ。BRAHMANの方はラウドミュージックから入っていて、マーティンや他のメンバーはアコースティックから入ってるから、それをちゃんと合わせるのはすごく難しかったです。今はアコースティックなバンドとして、良いアンサンブルになってきて、バンドとしては面白い状態になってきています」

 

――TOSHI-LOWさんといえばBRAHMANの印象が強かったので、当時(2005年頃)はOAUのようなスタイルで新たなバンドをやり始めたというのがとても驚きでした。そもそものOAUを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

「当時、マーティンっていうアメリカ人が俺になついてきたんです。“BRAHMANに入れてくれ。俺バイオリン弾けるし、英語もできるから”って(笑)。最初は断ってたんだけど、俺の人間性に興味を持ってくれたみたいで。“お前と音楽をやりたい”と。それで何回も飲みに行ったりしてるうちに、“じゃあ、俺はアコースティックをやったことがないからふたりでやろうか”って言うと、マーティンは“バンドがやってみたい”って。じゃあ誰とやろうかって考えてみたら、BRAHMANしかミュージシャンの友達がいなくて(笑)。メンバーに相談したら、“やりたい!”ということでOAUとしてスタートしたんです。でも、実際にやり出したらすっごい難しくて…。はじめの何年かは大喧嘩ばっかりしてましたね」

 

――そんな大変な時期を経てこられたんですね。

 

「BRAHMANは肉体的なんですけど、OAUは音楽的でアコースティック理論があって、特にバイオリンとか弦楽器も多いから、小さなオーケストラを作っているようなものなんです。BRAHMANのようにバーンと力ずくでできないから10年かかったのかなぁと。マーティンは3歳からバイオリンを習っていてクラシックの技術があるんだけど、ドロップアウトしてストリートでやるようになったんです。それが今のOAUの路上感には合ってると思います。(他の国の)民族音楽に憧れてやってる俺たちと、マーティンのようにベーシックがちゃんとある人たちとは違うと思うんです。でも、俺たちも本物の良さを知りながらオリジナルとしてありたいって思ってるから。付け焼刃のコピーバンドじゃないようにするにはどうすればいいのか、10年以上かけてじっくり腰を据えて取り組んできて。マーティンが持ってくるルーツのアイデアを元に、俺たちのオリジナルな部分をちゃんと混ぜられるようになってきました」

 

――次のアルバムに向けて、徐々に準備はされていますか?

 

「来年はアルバムを作りたいと思ってます。まだまだアイデアがあるし、もっと面白い、自分たちにしかできないことができると思います」

 

――OAUとBRAHMANの活動は、どのようなバランスで考えていますか?

 

「バランスはすごく良いので、音楽的ストレスはないです。ウォーって力でやる音楽に疲れたら静かな音楽に向かえるし、また静かな方が煮詰まってきたら肉体的な音楽もできるから。OAUとBRAHMANというふたつのバンドをやっている理由がそこにあって。俺はソロの志向がなく、バンドが作る音楽が好きなんです。どっちも自分がやりたいことができている。みんながTシャツ短パンのラフな格好で来るようなものもできるし、片やビルボード(Billboard Live)のようなちょっとおしゃれな雰囲気を楽しめる場所でライブもできる。自分たちにそういう幅があることも幸せだなと思っています」

 

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――年明けにBillboard Liveで行われる「New Acoustic New Year」はどのようなステージになりますか?

 

「ビルボードのライブは普段できないものを目指します。折角の機会なので場に合う衣装できっちり革靴を履いて。そういう音楽をやっている大人が嫌いで始めたはずなのに、今はそれを楽しめるようになりましたね。昔はフォーマルな音楽は、大人がしっかり決めたつまらない音楽だと思っていたけれど、もし子どもの頃の自分に伝えられるなら、“フォーマルでもやり方によっては、めちゃめちゃカジュアルな面白いことができるかもしれないよ。だからそんな決めつけんなよ”って言いたいですね。それぐらい説得力があるライブにしたいです」

 

――そういうお話を聞いていると、ビルボードでのライブがますます楽しみになってきます。

 

「音楽が好きな方でも、過去の俺みたいにビルボードに行ったことがない人もいると思うんです。だけど、歳をとってからも新しい発見や楽しみというのはあって。今、自分が知ってることは氷山の一角にすぎないし、好きなものだけで固まっていると今後どんどんつまらないことになっていくから、そのひとつの突破口になったらいいなって思います」

 

――初めてビルボードでライブをされた時はどんな気分でしたか?

 

「初めてやった時は緊張しすぎてて…、雰囲気に呑まれてましたね。お客さんからお酒を奢ってもらったんで、ベロベロになって楽しくなって。こういう感じでやったらいいんだって(笑)」

 

――ラグジュアリーな大人の空間なので、観に行く方もきちんとおしゃれをして行った方がいいですね?

 

「そうですね。いつもの服じゃなくて、その場にフィットした格好をした方がお酒の味も違ってくると思います」

 

――では、ビルボードでの「New Acoustic New Year」に向けて、意気込みをお願いします。

 

「ライブ中にお酒を奢ってもらうのは大歓迎! 大阪でのライブはこっちもすごく楽しくなって、2nd STAGEは途中から全く覚えてないぐらいですけど(笑)。新年早々みなさんにとって素敵な体験になれば良いなあと思います」

 

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――12月号の誌面テーマは「dish」ですが、TOSHI-LOWさんにとって食事についてのエピソードは何かありますか?

 

「子どもが小学生だった時、毎朝20分〜30分かけてお弁当を作っていたんです。作っている時はすごく大変だったんですけど、今となってみれば一つひとつが思い出になっていて、良かったなって思います」

 

――当時、お子さんの反応はいかがでしたか?

 

「特に何も言わないんですけど、帰って来た時にお弁当箱を開ければわかるじゃないですか。大人にとっては揚げ物とか、茶色や黒い色の食べ物の方が美味しいから、最初はそういうのを入れてたら、全部残して帰ってくることがあって。当時小学1年生の子どもに“美味しくないの?”って聞くと、“美味しくないわけじゃないけど…”って。ある時、“何が嫌なんだ?”って聞いたら“ひじきが怖い”って言われたんですよ。それを聞いて納得して、おかずやご飯の彩りを良くするようにしたんです。それからはほとんど残さず食べるようになりましたね」

 

――ちなみにどんなお弁当を作られていたんですか?

 

「いろいろ工夫して作っていました。麺とは別にポットに汁を入れて、つけ麺のお弁当とか。つけ麺の時は、クラスのみんながお弁当を見に来たと言ってました(笑)。そうめんの時はつゆを凍らせて、麺は一個一個ひねって入れたり、食べやすいようにしてました。当時それを一つひとつインスタに上げていて、それがいつの間にか日記みたいになっていました。お弁当を作りながら、子どもの頃、親に怒られた記憶が蘇ってきたりもして。あの時自分の親はこういう気持ちだったんだってわかって親に改めて感謝したり、自分の子どもにも“ありがとね”って思ったり。作り始めた当初とは全然違う感情が湧いてきたんですよね。結局、そうやって自分の人生と会話するような体験ができました。親子三代のことを考えられるなんて、お弁当作りの朝の30分はとても有意義でした」

 

Interview & Writing by エイミー野中

 

≪Profile≫

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND / オーヴァーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド

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TOSHI-LOW(Vo.&Acoustic guitar)、MARTIN(Vo.,Violin&Acoustic guitar)、KOHKI(Acoustic guitar)、KAKUEI(Per.)、MAKOTO(Double bass)、RONZI(Dr.)。BRAHMANのメンバー全員を含む6人編成で、’05年から活動を開始する。現在までアルバム3枚、ミニアルバムを2枚リリース。’18年、自身がオーガナイズを務める野外フェス「New Acoustic Camp」の公式テーマソングとして4年ぶりの新音源『MIDNIGHT SUN』を8月に配信限定で発売した。

 

≪Release Information≫
『MIDNIGHT SUN』
※配信中

 

≪Live Information≫
「New Acoustic New Year」
2019年 1/11(金) 赤坂 Billboard Live TOKYO 
1st STAGE: OPEN 17:30/START 19:00
2nd STAGE: OPEN 20:45/START 21:30
※当日2回公演となります。

http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11237&shop=1

 

1/14(月・祝) 大阪 Billboard Live OSAKA
1st STAGE: OPEN 15:30/START 16:30
2nd STAGE: OPEN 18:30/START 19:30
※当日2回公演となります。

http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11236&shop=2

 

OFFICIAL WEBSITE
http://www.oau-tc.com


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