エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2018/11/01

【インタビュー:西島秀俊】意外にも実は一番得意な役!? 映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』

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――今作は、近年では珍しく、西島さんの笑顔がたくさん観られる作品ですね。

 

「僕もでき上がりを観て、ものすごく笑ってるなって思いました。正直僕はもうちょっとぶっきらぼうで、デリカシーのない男を演じたつもりだったんですけど。恐らく、共演者の皆さんが、個性的で素敵な芸達者の方々だったので、自然と楽しく仕事をしている空気になって、ああいうキャラクターを作り上げていけたのかなと思って、非常に満足しています」

 

――波瑠さん演じる波平の上司・小塚役を、素で演じられているように見えました。

 

「いや、僕はこんな変な人じゃない(笑)。でも、周りの人からは『ちょっと素に近いよね』と言われます。確かに最近は、公安とか武士とかフィクション度の高い、自分とはかけ離れた役が続いたので、もしかしたら今回は自分にかなり近いのかもしれません。変わった人なので、認めたくはないですけど(笑)」

 

――舞台となった「グリーンランド」は、実際に熊本県にある同名遊園地で、撮影もそこで行われたそうですね。

 

「俳優同士では一回も話したことはないんですけど、多分みんな、熊本を応援したいという想いがどこかにあって、この映画に参加したと思うんですよね。撮影中は、エキストラの方が毎日たくさん来てくださって、熊本のみなさんと一緒に映画を作ったという感じがして、とても幸せでした。遊園地自体も、すごくアットホームな温かな雰囲気で、本当に魔法にかかっているようなところだったので、その空気を大切にして作品にも反映できたらいいなと思いながら演技をしていました。実際に魅力的な人たちが働いていて、実在のモデルとなった方たちとお会いするというのも不思議な体験でしたね」

 

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――小塚のモデルとなった方ともお会いになったそうですね。

 

「はい。ただ、実在のモデルの方は、二枚目で、エネルギッシュで、アイデアマンで、楽しく仕事をしているすごく素敵な方で。僕はデリカシーのない男を演じていたので、撮影中にお会いして、“うわっ!全然違った”と思い、すみませんって謝りました(笑)」

 

――西島さんが演じられた小塚もエネルギッシュで楽しく仕事している人に見えましたよ。

 

「ありがとうございます。表面的には、かなりちゃらんぽらんな、この人何考えてんだろう?みたいな、ちょっと変な人を演じていましたが、でも一見ちゃらんぽらんに見えていることも全部意味があって、実は真剣に波平のことを考えていたっていう風になるようには意識して演技をしていました」

 

――衣装にもこだわられたと伺いましたが…。

 

「(園長役の)柄本明さんの服が飾ってあったので、着せてもらって『小塚の衣装もこんな感じじゃないんですかね?』という提案をしました。柄本さんと僕は、父と子、師匠と弟子みたいな関係だろうから、つながっていたいと思ったし、持ち道具でも、園長にもらったようなストーリーがあるものが欲しいと思い、アイデアをくれないか? っていう話をしました。そうしたら、アンティークの時計を持ってきてくれて。ただ、これが一個しかないから大変で、一回リューズが落っこちて、どえらいことになりました。全然映ってないし、みなさんにはわからないと思うんだけど」

 

――確かに時計は気づきませんでした…。

 

「もうひとつ全く表に出てないんですが、ペンも何か物語がありそうなペンがいい、僕は個人的にはかわいいものが欲しいって言ったんです。そしたら、ピカピカ光るペンを持ってきてくれたので、しょっちゅうピカピカ、ピカピカやってたんですよ。そしたら、カメラマンさんに『西島くん、昼間やったって全然わかんない、映ってないよ』って言われたり、持ち道具の子には、『光らすのやめてください。電池がなくなったら、また東京に買いに行かなきゃならないですよ』と怒られたりして(笑)。それくらい光らせていました」

 

――(笑)。いつも衣装や小道具にこだわられるのですか?

 

「僕は、衣装合わせがすごく好きなんです。だから今回に限らず、アイデアくださいっていうのは言います。例えば、『八重の桜』(‘13)というドラマだったら、後半目が見えなくなって歩けなくなることがわかっていたので、前半はとにかく走っている人にしたいからアイデアないですか? って。それで、ちょっとバタバタする衣装を用意してもらったり。いつも僕が抽象的なことを投げて、スタッフが考えてくれる。どの作品でもみんなに作ってもらっているという度合いが高いと思います」

 

――今回は、お仕事エンターテインメントと定義づけられていますが、この作品を通して学んだお仕事の極意があれば教えてください。

 

「主人公の波平は、最初、努力しても誰も見てくれないと、ふてくされています。でも実はみんなが密かに“ああ、こいつはこうやって努力してるんだな”というのをちゃんと見守っているということが描かれているのですが、僕も結構そんな体験をしてきたんですよね。順調じゃないキャリアを過ごしてきていて、“こんなことをやっていても全然誰も見ないだろうな”って思いながら頑張っていた時期があって。でも結構見てくれていて、引き上げてもらったことが何度もあるので、腐らずに頑張っていれば報われる、というのがこの映画でも、個人的にも感じる、仕事の極意かなと思います」

 

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

 

「この映画は波瑠さん演じる波平が、仕事のいろんな壁にぶつかりながら、一生懸命に頑張って乗り越えていく姿が非常に清々しくて、劇場を出たら明日から頑張ろうっていう気持ちになるような素晴らしい映画なので、ぜひ楽しんでいただければと思います

 

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interview & writing by しみずかおり

make up by 亀田雅(The VOICE)

styling by TAKAFUMI KAWASAKI(MILD)

 

≪PROFILE≫

西島秀俊(にしじまひでとし)

’71329日生まれ、東京都出身。

’94年『居酒屋ゆうれい』(’94/渡邊孝好監督)で映画初出演。その後も数多くの映画、ドラマに出演。代表作にドラマ『チームバチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(’10/KTV)、『ダブルフェイス』(’12/TBS&WOWOW)、『流星ワゴン』(’15/TBS)、NHK大河ドラマ『八重の桜』(’13)、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(’16)など。映画では、『2/デュオ』(’97/諏訪敦彦監督)、『ニンゲン合格』(’99/黒沢清監督)、『Dolls(ドールズ)』(02/北野武監督)、『帰郷』(05/萩生田宏治監督)、『サヨナライツカ』(’10/イ・ジェハン監督)、『CUT』(’11/アミール・ナデリ監督)、『風立ちぬ』(’13/宮崎駿監督※声の出演)、『劇場版 MOZU』(’15/羽住英一郎監督)などがある。近年の作品として、ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(’17/KTV)、『奥様は、取り扱い注意』(’17/NTV)、『ラストレシピ麒麟の舌の記憶』(’17/滝田洋二郎監督)、『クリーピー偽りの隣人』(’16/黒沢清監督)など。現在、『散り椿』(’18/木村大作監督)が公開中。公開待機作に『人魚の眠る家』(’18/堤幸彦監督)、『空母いぶき』(’19/若松節朗監督)がある。

 

≪映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』≫

 

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STORY
彼氏と同じ都内の超一流ホテルチェーンに就職し、夢と希望に満ち溢れていた主人公・波平久留美(波
)は、入社早々に、地方の遊園地「グリーンランド」に配属されてしまう。「早く東京に戻りたい」と、ふてくされていた波平だったが、“魔法使い”という異名を持つ風変わりなカリスマ上司・小塚慶彦(西島秀俊)や、個性的な同僚たちと共に働くうちに、仕事に対する姿勢に変化が現れ始める…。悪役はゼロ!熊本県に実在する遊園地「グリーンランド」を舞台に、そこで働く人たちのハートウォーミングでちょっぴりスリリングな日常を、ポップにコミカルに描いたお仕事エンターテインメント。登場人物たちと一緒に、いつの間にか笑顔になっている…そんなハッピーな気分にさせてくれる作品だ。

 

監督:波多野貴文

脚本:吉田恵里香

原作:小森陽一『オズの世界』(集英社文庫刊)

出演:波瑠、西島秀俊、他

共同配給:ファントム・フィルム HIGH BROW CINEMA

 

オフィシャルHP:http://ozland.jp

 

 

(C)小森陽一/集英社 (C)2018映画「オズランド」製作委員会

(C)2018熊本県くまモン


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