エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 関西版

2017/10/02

『彼女がその名を知らない鳥たち』舞台挨拶レポート@梅田ブルク7(2017年9月30日)

本編上映後の舞台挨拶、衝撃のラストからの余韻と、はち切れんばかりの拍手に包まれた会場のステージに登壇したのは本作の主演を演じた蒼井優・阿部サダヲ、白石和彌監督だ。

 

「今回、ご覧になられた方々の前では初めての舞台挨拶です。この映画の良い所を話したいのですが、良い所がラストしかないので勧めるのが凄く難しくて…今日はのびのびと喋れるから本当に嬉しんです!マスコミの皆さんよろしくお願いいたします!」と舞台且つロケ地・大阪での舞台挨拶をとても心待ちにしていたという蒼井と、「作中では不潔で下品な役でしたがちょっと今日は身なりを綺麗にして来ました!」と阿部の茶目っ気たっぷりの挨拶に開始早々から会場は爆笑。舞台挨拶が幕を開けた。

 

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◆今回全て関西弁で演じられておりますが、関西弁での撮影はいかがでしたか?

 

・蒼井:関西弁はすごく難しかったですね。方言指導の方にダメだしされるうちに、もうどれが正解かわからない感じになってしまい大変でした。関西のみなさまに“よかった”と仰って頂けて安心しました。

 

・阿部:やっぱり難しかったですね。自分で話していたら全部間違っているような気がしました。ずっと、つきっきりで方言指導の方が指導してくれたんですけど…アイツも嫌いになっちゃったな(笑)  でも、この映画は関西弁に救われているというか。サイテーな人間だらけなのに、関西弁のニュアンス で柔らかい印象になってると思うんですよね。

 

・白石監督:関西弁だから成立する世界観かもしれないですね。関西って、人と人の距離が近いなと。十和子と陣治って謝ることをしない二人だけれど本音で生きているなと思います。

 

◆共感度0%、不快度100%のキャッチコピーがついた本作、それぞれ演じたキャラクターに対する共感度は?

 

・蒼井:「0%であり、100%でもある」気がしています。十和子は嫌な女というか確かに面倒くさい女だけど、演じているうちに彼女の「澄んでいる」部分に触れ…って言ったら、たぶん引かれますよね(笑)

 

・阿部:陣治は、相当小汚いんで共感よりも直してほしい点がたくさんあります。食べ方とか差し歯とか。差し歯については治したら良い話ですし!そういう普段演じた事のない役だから楽しめたのもありますよね。

 

・白石監督:衣装が用意していた陣治の作業服が、きれいすぎてテーブルひっくり返す勢いで暴れました(笑) 阿部さんにだけカメラテストをお願いし、撮影所の外で立ちション(映画には無いシーン)してもらったんです。その演技を観て陣治役「仕上がってるな」と確信しました!

 

◆松坂桃李さん、竹野内豊さん等、共演者の印象はいかがでしたか?

 

・蒼井:松坂さん竹野内さんとも今回が初共演でした。こんなにサイテーな役をサイテーに演じられるというのがすごいなと思います。松坂さんは、サイテー男に「薄っぺらさ」を表現されていてます(笑)竹野内さんは、画面にはサイテーな男としてしか映ってないかもしれないんですけど、瞳の中に見つめ合っている十和子にしか伝わらない悲しみが見えるんですよね。お2人とも、本当に素敵な俳優さんだと思います。松坂さんは私より年下なんですが、未だに“さん”付けで距離感を取っちゃいますよね(笑)

 

・阿部:本当にこの映画の役者にとってはサイテーと言われるのが一番の誉め言葉なんですよね。松坂さんと芝居をしていて本当に嫌だなと思いました。撮っている時は蒼井さんとのシーンが多くて他の2人(松坂桃李・竹野内豊)には会ってなかったので…映画で初めて他の2人のシーンを観た時に本当にどうしようもない奴らだなと思いました。本当に凄い俳優さん達ですよ!僕は松坂桃李が好きではないです、アイツ嫌いだなぁ~()

 

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今回、「共感度0%、不快度100%」というキャッチコピーにちなんで、会場の色々なパーセンテージを計測する。関西限定のサプライズ演出が。会場に向けてゲストの3人から直々に逆質問が飛び出した。

 

◆蒼井優の質問“あんな水島でも良い、と思う方”に対してはYESが23%

 

蒼井:結構いらっしゃる…良いわけないじゃないですか!朝ドラの視聴率位に十和子予備軍がいますね(笑)

 

◆阿部サダヲの質問“陣治がやったな?と思った人”に対してはYESが93%

 

阿部:演技に自信が持てました。NOの方々の顔を覚えておきます(笑)

 

◆白石監督の質問“映画のキャッチコピー自体が共感度0%なんですが、本作をご覧になられどの登場人物でもよいので非常に共感しましたという方?”に対してはなんとYESが93%!!

 

この結果に監督は共感してもらえたという事は満足して頂けたという事ですもんね?とニンマリ。この結果には阿部と蒼井も驚いた様子で、監督も「ポスター作り直そうかな!」とのコメント。「ゲスでクズ、サイテーな人間の深いところにある“愛”を感じたら、現実のこの世界が美しいものに見えるはず」という意図が観客に届いた手ごたえを実感していた。

 

 本演出が気に入ったのか、3人からの質問が何問も飛び出し会場も大盛り上がり。「今日、さっきのロケで芸人のシャンプーハットに、服装が“遅れて出てきた演歌歌手”みたいと言われたんですけど…僕の服装が“ちょっと遅れて出てきた演歌歌手”みたいだと思う人?」という阿部の質問についてはYES99%という本日最高値を修める結果に!

 

「この服、オーダーメイドなんですよね?」と笑顔の蒼井に対し、「拍手は要らないですよ…少し遅れて出てきた演歌歌手”みたいな阿部サダヲです。」と面白おかしくコメントし、会場を爆笑させた。

 

 途中、「大阪の心の象徴である大阪城を、あんなシーンで使ってすみませんでした!」と本作の演出について大阪会場の全員に頭を下げる白石監督に対して、蒼井と阿部が「謝罪会見みたいですけど!」と見事にツッコミを入れる場面も見られ、上映を見た後だからこそ盛り上がる、終始大阪らしく笑いの絶えない舞台挨拶となった。

 

 最後に阿部は「愛ってなんだろう、と考えさせられる映画です。キラキラした映画も良いですが、こういう映画が絶対あったほうが良い。あ、僕は足の指の間にもゴミを詰めてますから、そこも見逃さないで下さい(笑)」と徹底した役作りをアピール。一方、蒼井は「こういう映画が作れる日本映画界であってほしいですし、私たちはその環境を守り、観ていただくことで観客のみなさんとは共犯関係にあるんだと思います。」と映画愛に溢れる気持ちを会場に伝えた。

 

「共感度0%、不快度100%。満足度ほぼ100%」という結果を見事に残し、鳴りやまぬ拍手の中、笑顔でロケ地・大阪を後にした。

 

 

 

10月28日(土) 梅田ブルク7 全国ロードショー

 

配給:クロックワークス

©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

★公式サイト:http://www.kanotori.com

 

 

 

 
 

 

 


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