エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス

2016/08/02

【インタビュー】1曲ごとにカラーがあるサウンド、等身大の歌が響く寺岡呼人のニューアルバム

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寺岡呼人の取材を実施したのは、自身が主宰するイベント『Golden Circle』の20回目記念を〈日本武道館〉で終えたばかりの頃。話は、その『Golden Circle』のことから始まり、8月3日に約2年ぶりとしてリリースされるアルバム『COLOR』のこと、今の時代に感じていることなど、多岐に渡る内容となった。

 


 

 

─先日、盟友である桜井和寿(Mr.Children)さんが参加した、20回目となる『Golden Circle』を日本武道館で終えたばかりで。未だに余韻が尾を引くほど、素晴らしいイベントでした。

 

「自分が思っている以上に、みなさん“余韻が尾を引く”とおっしゃってくださっていて。ワンマンとは違って、人と人が集まって音を出しているので、当日まで予想が付かないところがあるんです。それに映像的な演出や、仕掛けがあるわけじゃなく、ただ本当にそこにステージがあるだけなので。リハーサルでも、何ひとつしゃべることを決めないでやっているんですよ。でも、実際のステージ上で、例えば桜井が“ここは、呼人くん家のリビングみたいな気持ちだ”と言ってくれたり、そういう一言一言が段々と『Golden Circle』というイベントのホーム感を作ってくれたというか。ギミックがなくても、実はそういうところに持っていけるのが音楽の力と考えると、不思議だなと思いますね。

 

─そして、このタイミングで、2年ぶりにアルバム『COLOR』がリリースとのこと。寺岡さんは、プロデュース業もされていますけど、ご自分の曲を作る時はまたそれとは感覚的に何かが変わってきますか?

 

「あまり住み分けはないんですけど、プロデュースする際の方がちゃんと作品として考えているかもしれないですね。ソロの方は、自分の中ではなるべく作り込まないようにしていて。そうすると、より歌詞で遊べるし、さらけ出せるし。そこは意識しているかもしれないです。良いのか悪いのかはわらないですけど、今の時代、僕らの世代のミュージシャンはさらけ出すことが一番大事なんじゃないかなと思っていて。とにかく僕は実践するぞ、という感じではいるんです。プロデューサーという人は特に、自分の作品は内省的でカッコ良いものを作るイメージもありますし。だから逆に、こんないい年してこんなことを歌っているの?と思われるくらいさらけ出す。それは挑戦でもあるんですけど、ここ数年の自分のひとつの裏テーマでもあるかもしれないですね」

 

—『COLOR』ができあがった今は、どんなことを思いますか?

 

「短期間で集中して作った作品ながら、僕の中で後悔することのないくらいのクオリティのものができたと思っています。自分が若い頃、30代、40代になったらどんどん曲のネタがなくなって、作れなくなるだろうなと思っていたんですけど、そんなこともなく。そういう意味では、ひとつの自信をもたせてくれる作品になったかなという気がしますね。あと、まだまだできる、と思えることを見つけていくことが大事なのかなと感じました。レコーディングもイベントも、ライブにしてもそうなんですけど」

 

─前作までは4年おきに作品を出されているイメージがあったので、こうして早いスパンで新しい作品に触れられることができて嬉しいかぎりです。2曲目は『COLOR』と表題曲になっていて。どのようにしてできた曲だったのですか?

 

「音楽配信のプレイリストを色々と聴いていたんですけど、そこにエルヴィス・プレスリーみたいなドラムのグラムロックの曲があったんです。今の時代のプレスリーもカッコいいかもと思って。で、なんとなくそれと同じビートを使いながら作っていったんですよね、この曲は。歌詞は、争っていた時代というのがひと昔前で、これからはどう飛ぶかだし、人と比べてどうのこうのじゃない時代になっていくんじゃないかな?と思っていたところからできています。最近で言うと、秋元 康さんが作詞されているAKB48の『365日の紙飛行機』もそうなんですけど、どれだけ飛んだかが大事じゃなくて、どう飛んだかが大事だと思うんですよ。そこから“それぞれが持った色”というキーワードが浮かんで、一気にできたという感じです」

 

—誰かと比べてしまうと、どんどん自分自身の気持ちがすさんでしまうような気がします……。“それぞれ”だと思うこと自体、本当に大事だなぁと。

 

「そうですよね。だからこれからは心の豊かさみたいなものを、どうやって個人個人探すか?ということじゃないかなと思っていて。わりやすく言うと、例えば昔って団体旅行をしていたじゃないですか。その団体旅行の時代はもう終わるんじゃないかなと。それぞれが自分たちの行きたいところを、自分たちで考えて行くような時代になってくると思うので。幸せも絶対にその中の価値観で見つけられるはず。それはある意味で、自分への問いかけでもあるんですよ」

 

—現時点では、寺岡さんの中で何をしている時間が一番幸せというか、充実を感じられますか?

 

「何でしょう。うーん、僕の場合は、ツアーで集中したなぁとか、ここでプライベートが充実したなぁとか、ここでレコーディングが充実したなぁとか、そういう集中する時間ですかね。その時はそれだけになっちゃうんですけど、ポンッとそこに向かえるというのは贅沢だなという気がします」

 

 

 

 

寺岡呼人(てらおかよひと)

1968年2月7日生まれ。自身のアーティスト活動と並行してプロデュース活動をおこない、ゆず、矢野まき、ミドリカワ書房、植村花菜、グッドモーニングアメリカ、八代亜紀など多彩に手掛ける。現在、再結成を果たしたJUN SKY WALKER(S)ベーシストとしても活動中。

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『COLOR』

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interview & writing by Ai Matsusaka

 

 


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