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2014/03/21

【インタビュー】4/4公開の映画『大人ドロップ』に出演! 若手注目女優・小林涼子が語る青春と“大人になる”ということ

「ハルは強さと弱さが同居している女の子。

呼吸をするように自然にハルとしていたかった」

 

 小林涼子_アー写

 

 

圧倒的な透明感と、自然に役に同化することができるその確かな演技力。注目度急上昇中の女優・小林涼子が最新映画『大人ドロップ』で演じたのは、大人びた佇まいの中に愛らしさをにじませる女子高生。言葉にできないもやもやした想いごと、青春を描き切った映画について、彼女自身が考える“大人の在り方”について――。

 


 

 

――甘酸っぱいだけではなく、心の内にモヤモヤした感覚が始終渦巻いているのが青春。映画を観てつくづくそう感じました。

 

「そうなんですよね。青春って輝きばかりではなく、苦い思いや、それこそ身悶えするような恥ずかしさを感じることのほうが多いものじゃないですか。私自身、高校時代、渦中にいる時はアップアップしていました(笑)。そういう、溺れそうな気持ちを正しく残せている映画だと思います。今、まさに青春の渦中にいる人たちは、精一杯やっている登場人物たちを観てキュンキュンしてもらえればうれしいですし、通り過ぎた人たちには、後悔や恥ずかしさ、苦さ含めて、あの頃の教室の匂いとかチャイムの音とか、鳥肌が立つ想いで見届けてもらえたらと思います」

 

――由(池松壮亮)、その親友のハジメ(前野朋哉)、クラスメートの杏(橋本愛)、そして小林さんが演じたハルという4人の高校生の最後の夏休みを描いた本作。ハルという女の子をどう捉えて演じたんですか?

 

「ハルはしっかりしているようで、実は誰よりも大丈夫じゃない女の子だと思います。由に対してストレートに言葉を伝える一方で、人には見せない繊細な部分もある。強さと弱さ、そういう相反するものが同居する様子が、気持ちいい矛盾として伝わればと思っていました。とにかく豊かに彩り鮮やかに、観た人が愛せるような女の子になって欲しいと思いながら演じていました」

 

――ハルのストレートな言葉に射抜かれる場面も多かったです。印象的な言葉が多いだけに、その言葉を放つ立場としては難しいことも多かったと思いますが。

 

「そうですね。でも、印象的な言葉だからと変に意味ありげに言うのではなく、あくまでハルらしく自然に言おうと思っていました。ハルの言葉は由にだけ向けたものではなく、たぶんハル自身にも言い聞かせているものなのかなと。人のためにだけ言えるほど、達観していない、大人になることに抗っている部分もあるのかなと思っていました」

 

――池松さん、橋本さん、前野さんという個性豊かでしっかり力のあるキャスト陣と共演してみていかがでしたか? 

 

「4人でいるのは本当に心地よかったです。みんなマイペースで、個性はバラバラなんですが、ある意味、リアルな青春の縮図のようだなと。統一なんてされていなくて、みんな自分のことでイッパイイッパイ。それが青春時代なのかなと。アンバランスがいいバランスな4人だったと思いますね。ハジメ役の前野君が、必要な時には接着剤になって4人を結び付けてくれましたし」

 

――ハル役としては、由役の池松さんと綿密なやり取りが求められる現場だったのではないかと。

 

「そうですね。ハルは心の中で“私はここにいるよ!”と叫び続けているのに、由は全然気がつかないので、撮影以外の時間でもハルとして見てしまう時があって、実は池松さんのことを見てイライラしてしまうこともありました(笑)」

 

――他の作品でも、演じる役が抜けにくいほうなんですか?

 

「そんなに引きずるほうではないと思いますが…ものすごく不幸な役をやっている時に、“ハイテンション!”とはならないですね(笑)。今回の映画の場合は、ずっと伊豆で撮影していたことも大きかったと思います。伊豆で過ごすことがあまりにも自然で、自分に戻らないといけない理由もなかったんです。役に入ろうというより、“入っちゃった”という感じで撮影が始まり、“終わっちゃった”に近い形で撮影が終わった。だから私も、呼吸をするように自然にハルとしてそこにいようと」

 

――本当に自然な空気感に包まれた現場だったんですね。そういう現場では、アドリブも多く出たのでは?

 

「実はアドリブはそんなに。私が出ている場面では、由とハルとのデートシーンぐらいです。食事をしながら会話をする場面があるんですが、そこは飯塚(健)監督から“とりあえず喋ってみて”と言われて。急に振られて驚きながらも、3分間アドリブで喋ったんです。あの時、“そっか。呼吸をするようにハルでいないと”と思いましたね。監督に信じてもらえている感じも伝わってきて、なんだかうれしくなりました」

 

――飯塚監督の演出の印象を聞かせてください。

 

「監督の作品はこれまで何度か出演させていただいているんですが、“一字一句間違えずにいいテンポで”というような作品もあれば、今回のように“ふわっと空気を掴みにいく”ような作品もある。作品によって、いろんな演出をされる方、という印象があります。でもいつも、演じる私たちの背中を無理に押すことなく、自分で気付けるように道しるべを作ってくださる。そんな監督だと思います」

 

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――本作のタイトルにもある大人について。小林さん自身が“大人になったな”と感じた瞬間はありますか?

 

「化粧をした自分に慣れてきた時、“大人になったな”と思いました。あとは、いい意味であきらめがつくようになった時かな(笑)」

 

――それはつまり、10代の頃はあきらめられず、苦しさも味わったということ?

 

「たくさんありました。納得できないことに遭遇した時、“なんで?”と思って立ち止まってしまうばかりでしたね。わかりやすく言うと、英語の文法とか(笑)。文法は文法だと受け止められるようになってからは、だいぶ楽に勉強できるようになりましたね。なんでなんでと、そればかり言っているうちは見えない景色もあるのかなと思います」

 

――では、小林さんにとって“いい大人”とは?

 

「一番身近なところでは、父親です。どんなことがあろうと、毎日スーツを着て、ちゃんとした顔をして家を出ていく。それは自分のためだけではなく、家族のためでもあるのかなと。やらなければいけないことを一つひとつこなしていくことが、いい大人のひとつの姿勢なのかなと思います」

 

 


 

 

 【profile】

小林涼子(こばやしりょうこ)

http://www.ryoko-kobayashi.com

’89年、東京都出身。’05年に『HINOKIO』で映画デビュー、同年に『ZOO』で映画初主演を果たす。’07年には『砂時計』でドラマ初出演にして主演に抜擢。’08年にはTBSドラマ『魔王』でヒロインを演じ、注目を集めた。本作の他、夏には映画『MARCHING―明日へ―』が公開、4月より主演ドラマ『鉄子の育て方』(メ~テレ)がスタート。

 

 

 【最新出演映画】

『大人ドロップ』

’14年/日/119分

otonadrop.jp

『大人ドロップ』場面写

  

 

監督:飯塚 健

原作:樋口直哉『大人ドロップ』(小学館文庫刊)

出演:池松壮亮、橋本 愛、小林涼子、前野朋哉、渡辺大知、他

※4/4(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国公開

 ©2014 樋口直哉・小学館 / 「大人ドロップ」製作委員会

 

  

【STORY】

高校3年生の浅井由(池松壮亮)は、夏休み直前、親友のハジメ(前野朋哉)に頼まれ、ハジメが好きな同級生の入江杏(橋本愛)とのデートをセッティングするも、当日、ある理由から杏を怒らせてしまう。仲直りできないまま夏休みに入ってしまった上に、杏が学校を辞めると聞いた由はもやもやしたものを抱えながら毎日を過ごすことに。一方、大人になるために何かと経験を急ぐ女友だちのハル(小林涼子)からは年上の彼氏との恋愛相談を持ちかけられ…。


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