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フライング・ポストマン・プレス

2017/03/03

【インタビュー】3/10(金)より上演! 舞台『令嬢ジュリー』主演女優・小野ゆり子”が語る作品の魅力と、体全体で表現するということ

「今も昔も変わらない“人間というもの”が描かれる
“今ここに生きている人”を観て、心動かしてもらえれば」

 

 

小野ゆり子さんアー写

 

 

 


今から100年以上前に、スウェーデンの劇作家 ヨハン・ アウグスト・ストリンドベリが著した『令嬢ジュリー』。この名戯曲が気鋭の演出家と、才気溢れるキャストによって上演される。主人公の貴族の令嬢ジュリーを演じるのは、注目の若手演技派・小野ゆり子。今も昔も変わらない男女の葛藤や、自分の居場所を見つけたいという気持ち…。そんな普遍的なテーマを持った物語について、自身の演技について、稽古の最中に話を聞いた。

 


 


――今回の上演台本を初めて読んだ際の率直な感想を聞かせてください。

 

「正直言って、最初は“難しそう…私にできるかな?”と思いました。でも同時におもしろそうだなという思いもあって」

 

――どんなところがおもしろそうだと?

 

「ジュリーは貴族の令嬢で、最初はちょっといいと思っている召使いのジャンに対しても言いたい放題なんです。高慢な貴族の女性が、ある一夜の間に堕ちていく、その感情の流れみたいなものが台本にちゃんと描かれていて、“これはちゃんと体現できたらおもしろそう”と。集中力を保って臨めれば、楽しんで演じられるのではないかと思ったんです。…ですが、やっぱり実際にやってみるとなかなか大変で、まだ手応えみたいなものは一切ないんですよ(笑)」

 

――どんなところが大変なところなのでしょうか?

 

「今、稽古中に時々ハマってしまうのは“令嬢”という落とし穴です。“令嬢だからこうでしょう”みたいな自分の中の思い込みが邪魔をしているところがあって。そうすると、どうしても上っ面になりがちというか…目の前にいる共演者の方には伝わらなくなるんですよね。ジュリーは確かに貴族の令嬢ですが、人間は人間です。まず人間としての生々しさを大事に、そこに“令嬢”の部分を絡めてジュリーというキャラクターを作り上げていきたいと、今いろいろと模索していっているところです」

 

――まず、内面を作り上げていこうと。

 

「はい、形から入ろうとするとダメなんですよね。横暴に立ち居振る舞っているようなところでも、“根底にはこういうジュリーの想いがあって、こう振る舞っているんだ”という部分を、私自身がちゃんと理解しないといけないと思っています。心を理解することで、体も自然と動き出すものですし」

 

――そのジュリーの本当の想いの部分ですが、小野さんはどう捉えていますか?

 

「ジュリーは貴族で、裕福な暮らしをしていますし、人の上に立つようなこともしています。でも、決して彼女は今幸せではないんです。彼女はきっと、幸せになれる場所を、本当の自分の居場所を探しているのかなと思うんです」

 

――その幸せの場所が、城田優さん演じる召使いのジャンと一緒にいれば見つかるかもしれないと?

 

「そうですね。今いる“上”ではなく、ジャンのいる“下”なのかもしれないと思って、彼に近づいていくのかなと」

 

――愛情ではなく?

 

「すごく難しいですね…。愛というか…恋心もあると思うんです。自分の居場所を見つけたいという思いがまずあり、そこに恋心や、やがては憎悪も混ざってくる、というところなのかもしれません」

 

――そういったキャラクターの核心の部分は、演出の小川さんや城田さん、ジャンの婚約者のクリスティン役の伊勢(佳世)さんとも話し合われたりするのでしょうか。

 

「はい。最初にじっくりと本読みをさせてもらったのがすごく良かったです。シーンごとに、彼らは今こういう気持ちだということを、みんなで共有してから稽古に入ることができて。稽古中も、小川さんがいつも“トライしてみよう”と言ってくださるので、すごく雰囲気良くみんなで作っていくことができています。いつも舞台をやる時には思っていることですが、今回は特にみんなで一緒に準備して作り上げていっているという実感が大きいですね。それはとても贅沢なことだなと思っています」

 

――今、ご自身ではどんな舞台にしたいと思っているのでしょうか。

 

「私は台本を読み込んでいくうちにジュリーとジャン、クリスティンが繰り広げる人間模様が、100年以上前に書かれた物語なのに、今の私たちと変わらないと思って、共感する部分も多くあったんです。欲望のまま走っていくことの恐さだったり、なかなか思った通りには好きな人とはうまくいかなかったり…それは今も昔も変わらない、人間というものなんだなと。どこか遠くにいる人たちの物語にしたくはないですね。お客様には、ぜひ生々しい人間模様を観ていただきたいです。“今ここに生きている人”を観て、心動かしてもらえればと思っています」

 

 


 

 

【profile】
小野ゆり子(おの ゆりこ)
http://www.flyingbox.co.jp/actor_actress/ono-yuriko/
’89年生まれ、東京都出身。舞台、映画、ドラマと幅広く活躍。主な舞台にM&Oplays『家庭内失踪』(’16)、主な映画に『幸福のアリバイ~Picture~』(’16)、主なドラマに『最高の離婚』(’13)、『天誅』(’14)など。今年は本作の他、ドラマ『感情8号線』(フジテレビTWO)にも出演している。

 


【最新主演舞台】
『令嬢ジュリー』

作:アウグスト・ストリンドベリ 
上演台本・演出:小川絵梨子
出演:小野ゆり子、城田 優、伊勢佳世
※3/10(金)よりBunkamuraシアターコクーンにて上演
チケット詳細はhttp://www.siscompany.com/sisw/ticket.htmまで

 

令嬢ジュリー3ショットヨリ 加藤孝撮影

撮影:加藤 孝

 

 

 


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