2017/03/30
博多座の五月公演は轟悠、湖月わたる、壇れいによって’05年に星組で上演され好評を博した宝塚ミュージカル・ロマン『長崎しぐれ坂』の再演、日本初のレビュー『モン・パリ』誕生から90周年を記念して、優雅な華やかさの中に迫力あるダンス場面を織り交ぜて繰り広げるレヴューロマン『カルーセル輪舞曲(ロンド)』の二本立て。“和”と“洋”どちらのタカラヅカ演目も楽しめるスペシャルな公演を博多座で!轟悠(専科※)、珠城りょう(月組)、愛希れいか(月組)が来福し、行った会見をレポート。
轟「この度、久しぶりの博多座公演ということで大変懐かしく、また、出身である大好きな九州の地で舞台を踏めるということを大変喜ばしく思っています。『長崎しぐれ坂』が今回、再演するにあたりまして、月組の珠城くん、愛希さんと共に演技者としての力を九州の地で存分に発揮したいと思っています。また、『カルーセル輪舞曲(ロンド)』の方にも出演しますので楽しんで頂ければと思います」
珠城「3年前に100周年公演の際に博多座に来させて頂きました。その時、博多のお客様の温かさに日々幸せな想いで公演をさせて頂いたことが記憶に残っております。今回、博多座での公演が決まり、個人的に和物のタカラヅカ演目が大好きなので、その作品で轟さんとご一緒させて頂くということで今からとてもワクワクしています。まだまだ未熟なところはたくさんありますが、いろいろなことを教えて頂きながら全力でぶつかっていきたいと思いますし、新たに皆様に楽しんで頂ける作品がお届けできますようにショーの方も含めて月組のみんなと一緒に取り組んでいきたいと思います」
愛希「私も珠城さんと同じく2回目の博多座公演となります。前回も博多の皆様がとても温かくて大変幸せな公演でした。そして、私は初演の『長崎しぐれ坂』の大ファンで、ビデオで何度も見ていた作品だったので、その作品に出演させて頂けることが夢のようです。私自身まだまだ未熟者なので精一杯追いつけるように頑張りたいと思っています。そして、ショーの方も私自身が演じていてすごく楽しい作品です。博多の皆様にも楽しんで頂けるように頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします」
――『長崎しぐれ坂』は再演ということですが轟さんからお2人に何かアドバイスなどはありますでしょうか?
轟「再演ですが、年月が経っておりますので、珠城くんと愛希さんはじめ月組の面々と共に作り上げていくという気持ちで取り組みたいと思っています。和物は所作ごとが多いので、江戸末期という時代背景もありますし、そのところは作者である植田紳爾先生にも教えて頂きながら3人で歩幅を合わせ、組全体をひっぱっていけたらと思っています」
――珠城さんと愛希さんはこの作品で轟さんと共演される心境はいかがでしょうか?
珠城「ずっと男役を極めていらっしゃる轟さんは雲の上の存在すぎて。男役は男役からしか学べないと思っているので、様々な経験を積み重ねてこられた轟さんと共演させて頂くことで、月組のトップスターに就任したばかりの私もたくさんのことを学べると思っています」
愛希「私は『風と共に去りぬ』で轟さんとご一緒させて頂いて。最初は緊張していましたが、温かく包んでくださいました。今回は前回とはまた違う幼馴染みという関係性の役ですので頑張りたいと思います」
――それぞれが思う見所を教えてください。
轟「幕開きから踊りが始まり、、長崎で有名な鐘楼流しや神田明神、お着物の着こなしなどお江戸の風情をたしなめます。3人の幼馴染みの関係、男同士の友情、和物でしか出せない心理描写を表現したいなと思っています」
愛希「ファンとしてずっとこの作品を見ていましたが、どの登場人物にも感情移入できるところが魅力だと思います。三角関係の恋愛も今で言う“キュン”とくるところだと思うので、そこも見所だと思います」
――和物の演目で演じるときに気をつけていることはありますか?
珠城「タカラヅカは洋物の作品が多く、どうしても外国の題材を演じるときは身振り手振りが大きくなってしまうんです。和物となるとそういったもので表現するのではなく、立ち方ひとつ、手の使い方なども勉強しないといけないですし、苦労すると思います。着物の着方一つで役どころも表現できたりするので役にあった着こなしがきっちりできるようにしたいと思います」
――轟さんは’05年に演じた作品ですが、役に対する臨み方に変化はありますか?
轟「12年前も専科として湖月わたる、檀れいと共演しています。珠城くんにはプレッシャーになると思いますが今回の博多座公演には湖月くんもぜひ行きたいと言っていました(笑)。作品自体が男性の方にすごく好評を頂いており、再演するということが発表になったときにも男性の方々から“もう一度観たい”というお声をたくさん頂きました。私自身、たくさん作品に出演させてもらいましたので、一役者として自分が今持てるエネルギー、積み重ねてきたものを信じて、尚且つ新しいメンバーで作品に取り組んでいくという姿勢でいます。ですから、この『長崎しぐれ坂』という作品に懐かしさ、愛情はありますが、相手が変われば私も変わりますので、今回のメンバーで新鮮さを感じながら一から作っていきたいと思います」
――今回はモン・パリ誕生90周年レヴューロマン『カルーセル輪舞曲(ロンド)』の二本立てですね。
珠城「『モン・パリ』の誕生から90周年記念公演ということで、最初の物語とは逆でパリを出発してから世界各国を巡り、最後に日本=宝塚に辿り着く構成になっています。伝統的なレヴューを大切にしつつ、新しいものも取り入れてサンバにも挑戦させて頂いています。フィナーレナンバーでは男役は黒燕尾、娘役は白いドレスとザ・ダカラヅカというスタイルでお贈りしますので、見所はと言われると“全て”…になってしまいますが(笑)。今回は轟さんにもご出演頂きますし、皆様にも新たな一つの作品として楽しんで頂けると私も今すごく楽しみです」
愛希「ブラジルではサンバに挑戦していますが、私はサンバの女王を演じます。皆様にもサンバの熱いエネルギーをお届けできるように女王として頑張りたいと思います(笑)。とにかく楽しい場面なので観て頂いている方たちも楽しめるシーンだと思います」
――轟さんは熊本のご出身ですね。
轟「昨年発生した震災からの復興には、まだまだ時間がかかるでしょうし、心の傷はなかなか癒えないとお察ししますが、過去に宝塚歌劇も阪神大震災で公演ができなかったときもありました。私たちにできることは公演を行うことだと思いますし、公演を観た方たちが少しでも元気になって頂けたら嬉しいです」
――公演期間中、福岡で行きたいところはありますか?
珠城「前回の公演ではあまりいろんなところに行けなかったので、屋台も行ってみたいです」
愛希「前回の公演では同期の子が水族館に行ってすごく良かったと言っていたので、今回は私も行ってみたいです」
轟「祇園にお墓がありますので、お墓参りもしたいですし、なかなか公演中は時間を作らないと時間が取れないので、3人で時間を作って博多の夜を知りたいなと思います」
※専科とは組【花・月・雪・星・宙】に属さない団員の集まり。各組の公演に特別出演として出演し、芝居に深みを与えるスペシャリスト。
【公演概要】
宝塚ミュージカル・ロマン
『長崎しぐれ坂』
~榎本滋民作「江戸無宿」より~
脚色・演出/植田紳爾
モン・パリ誕生90周年
レヴューロマン
『カルーセル輪舞曲(ロンド)』
作・演出/稲葉太地
公演日程:5/4(木)~27(土)
ご観劇料:A席8,800円、特B席7,800円、B席6,200円、C席4,000円
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