エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2019/06/27

人生につまずき落ちぶれた男の喪失と再生を“香取慎吾”が熱演!

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 『孤狼の血』、『彼女がその名を知らない鳥たち』など、多くの話題作で日本の映画史に爪痕を残し続ける白石和彌監督。そんな監督が熱望していた香取慎吾と初タッグを組み、オリジナル脚本で臨む『凪待ち』が6/28(金)より封切られる。その公開を記念し、中洲大洋映画劇場の舞台挨拶に、白石監督と主演の香取慎吾が登壇した。

 

 新しい香取慎吾を描くべく、白石監督の構想を、『クライマーズ・ハイ』、『ふしぎな岬の物語』などの脚本家・加藤正人が、「喪失と再生」をテーマに重厚な人間ドラマに昇華した本作。パートナーの女性とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻市で再出発しようとする男・郁男を香取が演じ、平穏に見えた暮らしから、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうヒューマン・サスペンス。誰も見たことない香取慎吾の熱演が話題となっている。

 

 悲鳴にも似た歓声に包まれながら客席からサプライズ登場した香取は「こんなにたくさんの人に囲まれて、こんなに素敵な劇場で完成した作品を観てもらえることを嬉しく思っています。先ほど、この劇場の支配人の方にお話を聞いたら、昭和52年1月31日生まれと僕とまるっきり同じで。同じ日に生まれた方が支配人の劇場で僕が出ている映画が流れるって本当に幸せなことだなと思っています」と、奇跡的な偶然に運命めいたものを感じた様子。会場からも割れんばかりの拍手が送られた。続いた白石監督も「全国縦断の完成披露試写会をやっていますが、今までで一番熱気がある会場です!」と興奮気味。福岡にはコンサートで何度も訪れている香取も「福岡と言えば、この上映会を思い出すくらい本当に皆さんのパワーがすごくてびっくりしています」と満面の笑みを見せた。

 

 映画の話題に移り、撮影が始まる前に香取へ注文したことを「スーパーアイドルなので、そのオーラは消してくださいと(笑)。でもそれくらいでした」と話し、香取も「そうでしたね、でも実は今もオーラのスイッチ入れてないんですけど…」と返すと会場から一斉に「えー!」の大合唱。すかさず香取が「そんなに出てますか?すみません、オフの状態でも溢れ出ちゃっていて…」というやりとりで会場の笑いを誘った。特徴的な無精髭の姿は「よくは覚えていないですが、最初の衣裳合わせの時、監督に見てもらうために生やしたまま行ったかもしれないです」と告白。現場での反応も「苦悩な中にも色っぽさがあるってリリーさんから言われました。でも自分じゃ分からなかったけど、この年齢になってそう言っていただけるのは本当に嬉しかったですね」と感慨深げ。

 

 今作が香取と初タッグとなった白石監督は、「トップアイドルでエンターティナーであることは当然だと思っていましたが、俳優としてのスキルも日本トップレベルでした」として太鼓判を押した。今後タッグを組んだ時に撮りたい作品としては「今回は満面の笑みを撮ることができない作品だったので、次は笑顔が溢れる暴れん坊みたいな役を見たいです(笑)」とすると、香取も続けて「そうですね、次は笑顔のある“白石バイオレンス”を演じてみたいです(笑)」と同調。本作とは違う角度の白石作品への意欲を見せた。

 さらに香取は「僕が演じた郁男は、全体を通して逃げ続けてばかりの一歩を踏み出せない男ですが、台詞や行動もそうだけど仕草でもどこかうつむいたような感じがあって、そんな細かい部分も見てもらえると面白いかなと思います」と見どころを挙げると、監督も「郁男は人生において逃げ続けている訳ですが、こと賭け事になるとガチガチに攻めていく人なんです。そういう場面が何度もあって、勝ったり負けたりするのはエンターテイメントしての見どころだと思います」と単なるヒューマンドラマに留まらない本作の魅力を語ってくれた。

 

 最後に香取が「この映画を観てもらえる日を心待ちしていました。いよいよ公開となりますが、観終わった後に自分の人生と重ね合わせて、生きることとは、苦悩の日々の先、という色々と考えるきっかけになっていただけたらと。あとはエンターテイメント作品として、白石監督の最新作『凪待ち』を堪能してもらって、“拡散をたくさん”お願いします!(笑)」とユニークな言葉で締めくくった。

 

 

 

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STORY

毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を 取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう——。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から降ろしてしまう。そのあと亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況から、郁男は次第に自暴自棄になっていく——。

 

映画『凪待ち』’19年/日/124分

監督:白石和彌

出演:香取慎吾、恒松佑里、西田尚美、吉澤 健、音尾琢真、

   リリーフランキー

※6/28(金)より全国公開

http://nagimachi.com/

 

Ⓒ2018「凪待ち」FILM PARTNERS


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