エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2018/11/14

究極の愛を描く衝撃の感動作『人魚の眠る家』の堤幸彦監督に迫る。

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東野圭吾作家デビュー30周年を記念して書かれ、累計100万部を突破した話題の小説「人魚の眠る家」を映画化。愛するわが子の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた夫婦を描く衝撃と感涙のミステリー超大作。11/16公開を前にメガホンを取った堤幸彦監督が来福。人間の心を揺さぶる感動作に込められた思いを語ってもらった。

 

……非常に難しいテーマを、映画というエンターテインメントに仕上げるうえで軸に持っていたことは?

「私も小さい子供がいるので決して他人事ではない、自分の身に置き換えた時にどうなのかを考えたのが、この作品に参加する動機でしたし、その初動を維持することが最初にありました。それから本作品には様々な出来事が盛り込まれていますが、その考え方や価値観、意見は分かれますし、世界的な医学、医療の見地からみるとどうなのか。とにかく実直に地道に取材をすることだなと思いました。そこで眠り続けたままのお子さんを持つご家族にお会いしていくことを重ね、そこで看護している現場を訪問介護士の皆さんに立ち会ってもらい、この作品でもそのシステムを完全再現する形をとりました。その取材の中で眠ったままのお子さんとお母さんの関係が気になっていましたが、お子さんの手を握らせてもらい、力強い鼓動と息使い、そして親子の絆を実感したことで、この作品の第一歩を歩み出すことができました。映画の撮影では通常中々贅沢でできないのですが、今回は頭から順撮りを行ったことで、例えば参加している子役たちが、撮影の終わりには「ここから帰りたくない」となるほど本当の家族のようになりました。そのような環境作りを一生懸命やることが、この映画と向き合う覚悟の表れなのかなと感じていました」

 

……篠原さん、西島さんとは演技面ではどのような話をされましたか?

「篠原さんと西島さんは各々が持つイメージを一回捨ててもらうところから始めて、この播磨家の家族になりきってもらうための話を何度かさせていただきました。特に篠原さんの役は、離婚前だけどまだシングルマザーではない状況に悩みながら生きていこうとしている女性像を描きたかったので、従来の篠原さんが持つイメージとは真逆のところから始まって、母としての存在感を出すためにはどうすべきかを相談しながら作り上げていきました。クランクイン前から気持ちを作っていく時間をたくさん取っていただいたことで、これまでに見たことのない篠原さんの表情が映し出されていると思います」

 

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……医療の最新技術と人間の感情を同時に描くことで、監督が意識されたことは?

「医療におけるこういった最先端のテクノロジーは、決して絵空事ではなく実際にロボット技術を研究されている方にもご協力いただき、盛り込みました。ただ、その中に渦巻く人間の感情は諸手を挙げて大喜びできる環境でもなく、色んな揺れや悩み、あるいは怖さすら醸し出す状態にある。そんな感情を呼び覚ます現実が、非常に映画的だなと思い、最新テクノロジーが人体にもたらす希望、そしてそれだけではない色々な心の揺れを呼び覚ますものとして描きました。現代的であり、心を表すという意味では古典的な題材の両義的な感じです」

 

……ご自身でも代表作と言い切れるほどの作品に感じられたそうで。

「自分で代表作というのも大変お恥ずかしい話ですが、でも実感として作り上げた時の役者の方々の反応や皆さんの感想、何より自分が観終わった後の感情に手応えを素直に感じられたので、代表作と言い切れる作品になりました。この映画は命に対する考え方や捉え方、そして色々な世代の人間の向き合い方なども含んだ映画なので、老若男女の皆さん、さらに言えば世界の方々にもご覧いただいて、医療や文化の違いはもちろんあるけど、親が子を思う気持ちは世界中同じだと思うので、どんな感想が寄せられるのか今から楽しみだし、期待しています」

 

 

 

 

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STORY

二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)とIT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。娘の小学校受験が終わったら、離婚すると約束した夫婦のもとに、突然の悲報が届く。娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。回復の見込みはないという。深く眠り続ける娘を前に、奇跡を信じる夫婦は、ある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく―。それは果たして愛なのか、それともただの欲望なのか。過酷な運命を背負うことになった彼らの先には、衝撃の結末が待ち受けていた――。

 

 

『人魚の眠る家』’18年/日/120分

監督:堤幸彦

原作:東野圭吾「人魚の眠る家」(幻冬舎文庫)

出演:篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、

   田中哲司、田中泯、松坂慶子

※11/16(金)より全国公開

http://ningyo-movie.jp/

 

Ⓒ2018「人魚の眠る家」製作委員会


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