エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2018/08/16

新世代の才能・石田祐康と、新たな才能を発揮した北香那が語る『ペンギン・ハイウェイ』

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「夜は短し歩けよ乙女」、「有頂天家族」など、数々のベストセラー作品をもつ森見登美彦の「ペンギン・ハイウェイ」を気鋭のアニメーションスタジオ・スタジオコロリドがアニメーション映画化。少年の一夏の成長を独特の世界観で瑞々しく描いた原作を、鮮やかに描き出す“心弾む”青春ファンタジー。監督は、「フミコの告白」で国内外の賞を多数受賞するなど、アニメーション界で今、注目を集めるクリエイター・石田祐康。主人公・アオヤマ君の声の出演には、オーディションで役を射止めた若手女優・北香那。新世代と新時代を感じさせるふたりの才能を通して迫る、この夏注目の『ペンギン・ハイウェイ』。

 

……まずこの作品に取り掛かることになった経緯は?また、森見登美彦さんの原作で魅力に感じたことは?

石田「原作のバランス感覚が面白くて。本作では蒼井優さんが声を演じた“お姉さん”が、色んな要所で魔法めいたことをやりますけど、物語の土台にあるのは、あくまでリアルな日常。その日常の中の一瞬一瞬に魔法をかけ、最後は魔法を超えるような不思議な世界が広がっている。でも、その未知の世界に対して、見る人の想像を掻き立てる余白を残す構造が非常に面白かったし、その世界観の中で、主人公の小学生・アオヤマ君のまっすぐで淀みない眼差しを通して描かれることがポイントでした。だからこそ、作品としてすごくクリアな印象があって、綺麗な街並みとアオヤマ君の淀みなさに通じるものを感じたので、その部分を保って映像化したいと思いました」

 

……まっすぐなアオヤマ君を演じる上で心掛けたことは?

北「一見すると生意気にも見えがちだけど、彼のまっすぐでポジティブなところが大事だなと思いました。そんな風に見えるように自信を持った喋り方に気を付けました。後は、お姉さんとのやりとりで垣間見える子供らしさも意識して。でも最初に現場入りして監督とお話しした時に「実際の年齢よりも高い、小学校6年生だと思って」とアドバイスをいただいて、そこがけっこう重要で。もしそれを意識せずに演じていたら、アオヤマ君の几帳面でカチッとした感じや大人っぽさが出せなかったと思うので、その助言を軸にやれて良かったです」

 

……オーディションでアオヤマ君の声を北さんに演じてもらう決め手になった理由はは?

石田「今、まさにおっしゃった“まっすぐ”な感じです。自信家のアオヤマ君の揺るぎなくポジティブなところがすべて合わさって、結果として“まっすぐ”に見える。そんなアオヤマ君と、彼女の一生懸命にやるまっすぐな姿勢が重なりました。そのまっすぐさを持って物語で起こる様々な経験を通じて、人としての優しさや成長、信念が醸成していく様を、彼女だったらやり切れると感じたし、実際にそうなったので良かったです」

 

……冒頭にも出てくる並木道の風景など非常に印象深い映像が詰まっていますが、特にこだわられた点は?

石田「実際にある場所をできるだけ使おうと何ヶ所かロケハンをしたのですが、このけやき並木はロケハンではなくイメージで作ったものなんです。けやき並木が奥まであって、赤レンガが敷き詰められた歩道、そして光に溢れている。「こんなところを散歩したい」と思って、僕の中の理想を映像にしてみました(笑)。最初に海辺のカフェ、その前のけやき並木並、そして奥にある最初にペンギンと出会う広い空き地が原作でも書かれていたので、そのワンセットのシチュエーションをいかに素敵に描けるかどうかどうか。この物語においても最初と結末にも関わるとても重要な場所だったので、映像的にもこだわりたかったし、その立地を具現化するにあたって、あの手この手と非常に苦労しました。それと、もうひとつこの作品のポイントに“木漏れ日”があって。木漏れ日を見て心が安らぐイメージがあったので、それを有効に使う上でもこのけやき並木の光の加減で活かしてみました」

 

……そんなこだわりの詰まった本作を実際にご覧になって、北さんはどのように感じましたか?

北「自分の声がアニメに吹き込まれている光景が初めてだったので、とにかく新鮮で不思議な気持ちでちょっと冷静に観られませんでした。でも、どんどん物語が進んでいくうちに、蒼井さんが演じるお姉さんの少し低めでクセになる声がセクシーで憧れたし、アオヤマ君のお父さん役の西島秀俊さんの声に「こんなお父さんだったら最高だなぁ」と思いました。ハマモトさんのお父さん役を務めた竹中直人さんの落ち着く独特の声もそうですが、そうそうたる声優陣の方々と、私が一緒にやれていることに感動と感謝がありましたし、同時に少しだけですが、自信も付きました」

 

……最後に映画を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

石田「アオヤマ君が見る目線のクリアさはぜひ観てほしいです。すべてはアオヤマ君を中心にしてこの作品を作っているので、ちょっと変な少年ではあるけど彼はただまっすぐなだけなので、観る方の誰もがきっと良い子だなと共感してもらえると思うんです。だからアオヤマ君の目線に寄り添って観てほしいし、そこで見える景色、出来事、お姉さんとの関係、そして彼が冒頭言っている“世界の果て”。さらに原作者の森見さんもおっしゃられていた、“少年から見た憧れの思い”。それは、まっすぐなアオヤマ君の目線で見るからこそ価値がある世界なので、ぜひそんな風に観ていただきたいです」

北「私はこの作品を観て、小学生に戻りたくなりました。ひとつのことにものすごく夢中になれて、それを考えているだけでも幸せな気持ちになる。あの頃に戻りたくなったし、その時の自分が愛おしくも思える映画です。見どころはたくさんありますが、アオヤマ君が見る世界の美しさや、お姉さんとの奇妙な関係、そし不思議なペンギンたちの存在と、夏にぴったり瑞々しい作品ですので、ぜひ劇場でご覧ください!」

 

 

 

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STORY

小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。毎日努力を怠らず勉強するので、「将来は偉い人間になるだろう」と思っている。そんなアオヤマ君にとって何より興味深いのは歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でミステリアスなお姉さんをめぐる研究も、真面目に続けていた。 ある日、アオヤマ君の住む郊外の街に突如ペンギンが現れ、そして消えた。さらにアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」 一方、アオヤマ君は、クラスメイトのハマモトさんから森 の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。やがてアオヤマ君は、その謎の球体“海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。果たして、 お姉さんとペンギン、“海”の謎は解けるのか――!?

 

『ペンギン・ハイウェイ』

監督:石田祐康

原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)

キャラクターデザイン:新井陽次郎

声の出演:北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

※8/17(金)より全国公開

http://penguin-highway.com

 

 

Ⓒ2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

 

 


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