エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2018/07/07

初共演で姉妹役を演じた上白石姉妹に迫る『羊と鋼の森』のエピソード

IMG_3180-3編集済み 

 

『火花』、『君の膵臓をたべたい』など数ある話題作を抑え、2016年第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説『羊と鋼の森』。ピアノの調律師という世界を繊細な筆致でつづり、日本中の読者の心を震わせた本作が待望の映画化。いよいよ公開する本作で、ピアニストの高校生姉妹・和音(姉)と由仁(妹)を演じた上白石萌音・萌歌に、初共演で姉妹役を演じたことへの思いを訊いた。

 

 

……この作品で初共演を果たし、しかも姉妹役を演じてみていかがでしたか?萌歌「このお仕事を始めて8年くらいになりますが、役として共演することが夢でもあったので、すごく嬉しかったです」

萌音「(共演が)決まった時は驚きましたね。もっと先のことだろうなと思っていたので。私も一番の目標であり夢だったけど、お互いに色んなお芝居をして30歳とか40歳の時にひっそりと共演できればいいなと思ってました(笑)。それが10代のうちに制服を着て一緒にピアノを弾くとは思ってなかったので、運命かなと感じました」

 

……実際に現場ではどんな雰囲気でしたか?

萌音「自分が仕事をしているところを家族の誰かが見てると思うと最初は照れくさくて、わざとふざけたくなっちゃって(笑)。でもその照れに慣れてくると姉妹でしか生まれない感情や呼吸とかあって。セリフが少ないお芝居が多かったので、喋らなくても見つめ合うだけで伝わってくるものがたくさんありました。その瞬間に、実の姉妹で姉妹役を演じることってこういうことなんだと実感しました」

萌歌「姉妹という設定を超えて、私は表現者として姉のお芝居を見られることがすごく勉強になって。お互いの存在が近くにあることで、一番刺激を受け合うし姉のお芝居が大好きだったので、それを同じ作品の同じ空気の中で一緒に今持っている力をぶつけ合えたのは、すごく充実した時間でした。私たちふたりが初めて同じ方向で一生懸命になれたと思えたので、またそういう機会があったら嬉しいです」

 

……対照的な性格の姉妹を演じられましたが、何か意識されたことは?

萌歌「私たちがお芝居というひとつのことに向きあっていることと同じように、この姉妹にはピアノがあって。その対象が違うだけで共に熱量を注いできたものがある。だからその部分はすごく共感できたし、大事に演じていこうと意識しました。でも普段の私たち姉妹をそのままやっても駄目な気がして、この役に染まる必要があると思っていたので、役の要素を取り入れられて良かったなと思います」

 

……ご自身と重なる部分はありましたか?

萌歌「私が演じた由仁は、憧れるというか理想的な女の子でした。初対面でもすぐ心を開けるし、目上の方にも気軽に声を掛けられるし、明るい社交的な性格って素敵だなって。私が小さい頃は、人前に立つということがまったくできなくて、挨拶もできないような性格だったので、今のお仕事を始めて外に意識を向けられるように頑張っている中で、今回の役はすごく挑戦的な役でもありました」

萌音「小さい頃の萌歌は姉の和音のような性格でしたけど、最近はどんどん由仁になってきていると思いますね(笑)。私が演じた和音は、性格が似ている訳ではないですが、姉という立場ですごく共感しました。妹の才能がすごく嬉しくて誇らしくて皆に自慢したいという気持ちと、自分にはそれがないと思っていて、姉としての葛藤をすごく抱えた女の子なんです。私自身も共通するところがあって台本を読みながら「あぁ、分かるよ!」って和音と一緒に悩んだような日々でした。役にそこまで深く共感できることって一番幸せなことだと思うのですが、逆に言うと似ているからこそ、すごく難しさもあって。演じる時は上白石萌音が和音に勝たないように、ちゃんと和音として悩むことを心掛けました」

 

……音楽と共に映像もすごくきれいで、映画の総合芸術を楽しめる作品でしたが、ピアノは相当練習されたそうで。

萌音「最初に楽譜を渡されて見た時は衝撃でした (笑)。小さい時からコンクールとかにもどんどん出るような姉妹が弾く曲だったので、意味が分からないくらい大変で。実際に弾いている動画を見たりしましたけど、超人的な感じもして、これを半年後に自分たちが弾かなきゃいけないと思うと途方に暮れる思いでした(笑)。でも、曲を聴き込むうちに、和音の気持ちになって寄り添って彼女が選んだ曲だと思うと、すごく愛が持てて。聴けば聴くほどどんどん美しい曲になっていったし、ピアノで悩んでいる時に救われるのは曲の美しさだったので、最初は苦しかったけど途中からその苦しみさえも楽しくなってきて、ピアノを弾きたい思いが溢れてきました。今では役作りを通り越して自分の趣味みたいになって、劇中の曲を家で弾いたりしているので幸せな経験をさせてもらえたなと思います」

萌歌「姉が家で弾いてる背中が、どんどん生き生きしていって楽しそうで良いなと思ってました(笑)」

 

……また姉妹で役を演じられるとしたら、どんな役を演じてみたいですか?

萌音「お互いに歌が好きなので、舞台のミュージカルとかに挑戦してみたいです。声が似ているので一緒に歌うと良いと思うんですよね(笑)」

 

……ご両親は今回の共演をどのように思われていますか?

萌歌「喜んでくれましたね。私たちのことを分け隔てなく育ててくれた両親に初めての恩返しができたような思いがして嬉しかったです」

萌音「母はピアノの先生をやっているので、その題材でしかも姉妹役として出演することは本当に喜んでいました。母が観るという怖さもありましたけど(笑)。でも、一番身近にピアノの先生がいるということは心強いし、ありがたい環境でした。この作品がちょっとでもこれまでのお礼になれば良いなと思います」

 

 

IMG_3181-2編集済み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

印刷用_羊と鋼の森_メインカット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STORY

北海道育ちの外村直樹(山﨑賢人)は、高校でピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和)と出会い、板鳥の調律したピアノの音色がきっかけで調律師を目指すことに。やがて板鳥のいる楽器店で調律師として働き始め、先輩に同行した仕事先で高校生の姉妹ピアニスト和音と由仁に出会う。

 

『羊と鋼の森』’18年/日/

監督:橋本光二郎

原作:宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋刊)

出演:山﨑賢人、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、堀内敬子、仲里依紗、城田優、森永悠希、佐野勇斗、光石研、吉行和子、三浦友和

※6/8(金)より全国公開

http://hitsuji-hagane-movie.com/

 

Ⓒ2018「羊と鋼の森」製作委員会

 

 


PR
2018.9.20号
monthly cover artist
デジタルブックを立ち読みする

フライング・ポストマン・プレス HOME

fppshop
FPP×AFRO FUKUOKA