エンターテインメントフリーペーパー フライング・ポストマン・プレス

フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2018/05/11

映画『ラブ×ドック』から、映画監督デビューの鈴木おさむ、映画単独初主演の吉田羊が来福!

IMG_3065 (1280x895)

 

ドラマ「ブスの瞳に恋してる」(原作)、映画『ハンサム★スーツ』(脚本)などで知られる大人気放送作家・鈴木おさむが初監督を務め、映画単独初主演の吉田羊、野村周平、吉田鋼太郎、玉木宏ら超豪華キャストで贈る、笑って泣いて、恋したくなる“大人のための”ラブコメディ『ラブ×ドック』がいよいよ公開。それに先駆けメガホンを取った鈴木おさむ監督と、主人公の剛田飛鳥を演じた吉田羊が来福。人生の酸いも甘いも嚙み分けてきたふたりのトークに注目。

 

……連ドラを彷彿とさせる、新たなオムニバス映画のような新感覚の仕上がりですね。

鈴木「僕自身がバラエティ畑の人間ですが、テレビのバラエティってテンポが早いし、飽きっぽいし、やはり視聴率を意識して作るから忙しいんです。だから2時間かけてひとつの恋愛映画をじっくり作る自信が無くて(笑)。そこで、あるひとりの人生ではあるけど3つくらいの恋を見せていきながら、構成を面白く作りたいと思っていました。恋愛映画って、ひとつの恋に感情移入できないと辛い2時間になるだけじゃないですか。だけど3つあれば、例えば不倫だったり、女子友の略奪愛だったり、年下との恋だったりどれかひとつは自分の中にフィットするものがあるのでは?という考えでした」

 

……女性ですと、やはり擬似体験をする感覚になりますね。羊さんは自分にフィットする恋愛はありましたか?

鈴木「3つの恋愛模様の中で、一番気持ちがリンクしたのは実は吉田鋼太郎さんが演じた淡井さんとの恋なんです。大人ならではの経験値からくる余裕があって、相手を喜ばせるための引き出しが多くて、次にこの人は何を言うんだろうと興味が湧きました。仕事のパートナーとしても常に励ましてくれるし、彼の場合は下心があった上での言葉でしたが(笑)、不倫じゃなくああいう上司がいたら励まされるだろうなとリアルに思いました。私は何より人生にはユーモアが必要であると常々思っているので、あの歯の浮くようなセリフを恥ずかしげもなく、しかも説得力を持って真顔で言える人は淡井さんしかいないし、その膨らむ期待感や、存在自体がユーモラスな人と一緒になれたら幸せだろうなと感じました」

 

……監督は今回の個性的なキャスティングについて、どのように考えられたのでしょうか?

鈴木「まず羊さんでいうと、この剛田飛鳥という女性を演じる上でリアルに独身であることが僕の中で重要でした。実際に結婚されている方だと素直に感情移入できないかなと。その上で3人の男性役を考えた時に、(吉田)鋼太郎さんは最初からイメージがありましたけど、玉木(宏)さんはちょうど僕が育児で仕事を休んでいる時に(NHK連続テレビ小説の)「あさが来た」を観ていて、すごくギャップのある役を演じられる面白い人だなぁと思って「やってくれたらいいな」という願望がありました。野村周平君は普段やんちゃだったり、発言が取り沙汰されたりすることが多かったから、逆にあのキャラクターのギャップを見せたいなという思いがありました。大久保(佳代子)さんが演じた細谷千種の役は一番大事で、色んな女優さんで考えたけどしっくりくる人が全然いなくて。最初はあんなにコンプレックスを持っている役ではなかったけど、例えば羊さんともうひとり綺麗な女優さんを並べたところでリアルじゃないし、何か足りない気がして。これまで自分が作ってきたものってコンプレックスがけっこうテーマだったので、そこで大久保さんを思い付いて彼女の出演が決まってからもうひとつ“女同士の友情”というテーマを加えました。今回作っていて意外とこれまでの日本のドラマや映画になかったなと思ったのが、男が女性を口説きたいがために、その人の才能を褒めてしまうケースって色んな職場にあると思うけど、それって罪じゃないですか。それを鋼太郎さんのキャラクターを通してやってみたいと思ったし、“女の友情”の中にも「親友って言っているけど、本当にそうなのかな?」と不安を抱いている女性ってけっこういるんじゃないかと。そのふたつはこれまでに観たことがあまりなかったので、やってみたいと思いました」

 

……吉田鋼太郎さんのホイップクリームを使って口説くお芝居や玉木宏さんのピンポン球キスのように、過度なラブシーンを演出に取り入れた理由は?

鈴木「僕は“キス大喜利”と呼んでいますが、忘れられないキスを作ろうと思って。普通にキスシーンを観ても「何を観せられてるんだろう?」と思うことが多かったので、男のロマンチックな部分、例えば街中で花束を持てるかどうかみたいなことを映画の中で表現したくて。やっぱりかっこいいヤツってそんなことを照れもなくできるんです。そのぐらいのつもりで一回振り切ってラブシーンを書いた時に、鋼太郎さんのホイップクリームのところなんかは書きながら笑っちゃったけど、このぐらいのことを自然とできるヤツってやっぱかっこいいなと。ピンポン球もそうだし、笑っちゃうかもしれないけどロマンチックに挑める男に対して僕自身が尊敬の気持ちがあるんです。だから役者さんを使って全力でやってみたかったのでお願いしました。羊さんがよく笑わずにやってくれたなって感心しました(笑)」

吉田「おさむさんがすごいのは、アラフォーの恋愛ってややもするとイタいと思われがちなんです。それを“ラブドック”というファンタジーで包んだことで笑い飛ばせる部分があると思うんです。例えば劇中でも「私、あなたの好きな人と寝たんだ」と告白しなきゃいけないシーンも、リアルにやったら残酷さしか残らない。でも飛鳥の心の葛藤を選挙カーというファンタジックなコメディに包むことで、罪悪感の中にも彼女自身がちょっとチャーミングに見えるというか(笑)。その“敵を作らないキャラクター作り”が本当に上手いなと思いますね」

 

IMG_3025 (1280x853)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……本作は映画監督としてのデビュー作で脚本も手掛けられていますが、こういったラブコメを選ばれた理由はどんな思いからですか?

鈴木「恋愛を題材にしたものに対して得意意識が前から自分の中にあって。これまでバラエティとかたくさんやってきましたけど、それをアウトプットしたことってなかったのでどこかのタイミングでやってみたいと思っていました。それに映画って監督の主観や哲学が混ざってくるけど、この脚本を作った時にこの物語は恋愛の哲学でもあるので、もし他の監督の哲学や恋愛観が混ざると僕自身、納得できないなと。だったら自分で撮ろうという思いに駆られました。僕は前の『ハンサム★スーツ』を作った時もそうでしたが、脚本の段階で音楽も全部入れ込むんです。だから今回は加藤ミリヤさんの過去曲と「ROMANCE」というオリジナルの主題歌を用意してもらいました。加藤さんは僕より脚本が詳しくなるくらいすごかったですよ。「ROMANCE」のイントロも使用シーンを逆算して、まさにミュージックディレクターという感じでした」

 

……音楽で言えば卓球バーの店長を演じた川畑要(CHEMISTRY)さんの「お酒とスポーツ」も最高でした。

鈴木「あれを川畑くんにやってもらうってけっこう酷ですよね(笑)。生歌も歌ってもらいましたけど、あまりの上手さに現場は拍手喝采でした」

吉田「歌詞はふざけているけど、曲が良くてちょっと感動して見てました(笑)。でも卓球バーのシーンは楽しかったですね。卓球ダブルスってお互いの呼吸が大事なので男女の距離が急激に縮まるスポーツなんだと気付けたし、ハイタッチも自然と出ましたね」

鈴木「僕自身はあまりやったことはないけど、大人になって卓球やると意外に楽しいし、お酒とスポーツって本当に似てるなと思いました。ラウンドワンとか行くと楽しくて異常に距離が縮まるし、クライマックスで使った太鼓の達人は結婚して妻に教わったことですね。これまで全然やったことなかったけど、やってみると超楽しくて(笑)。だからどこかで使いたいと思ってました。あと撮ってる最中にもうちょっとコメディ度を上げたくて、途中で実況中継のナレーションで振り返るシーンを加えたり、飛鳥という女性が自分でバカなことをやっていることを分かっているけど止められないように見せるため、最初にナレーションを足したりしました。この恋の見方をどのくらいの恋愛度で、どの温度で見せるかが途中で大事だなと気付いて、後から足しましたね」

吉田「演者はバカバカしいシーンでも本気で演じていますから、引いちゃうんですよね、リアル過ぎると。それをコメディに変換することで笑い飛ばして観られるのが監督の手腕だなと思いました」

 

……鈴木おさむ監督の映画デビュー作に主演されてみていかがでしたか?

吉田「すごく楽しかったです。監督自身が平和な方なので穏やかで和気藹々とした雰囲気でした。ただ撮影初日に監督が「よーい、スタート」を掛けないと言う事件が起こりまして(笑)。監督はバラエティ畑の方なので、そこでは普通ADさんが声を掛けるんです。でもお芝居の世界ってADさんが「本番行きまーす」と言った後に監督が「よーい、スタート」という流れなんですが、初日に監督はその勝手をご存じないから助監督さんが「本番行きまーす」と言ったらシーンとなって、監督が「…あ、俺か」って。鈴木組は大丈夫かなと思いました(笑)。でもそのおかげで最初に和んだ空気になったし、自分もしっかりしなきゃとなりましたね」

 

……ティーン向けのラブコメ映画はたくさんありますが、あえてこの大人のラブコメを今、作る意味とは?

鈴木「自分が何かを作るとなった時に、少し時代の方向性をいじるようなものにしたいと思っていて。おっしゃられるように日本映画のキラキラした作品が流行ってきて10年くらい経ちますが、それを観ていた当時の10代、加藤ミリヤを聴いていた世代が30代になって、さすがに今のキラキラムービーにはついていけないと思うんです。でもこれだけ10代の恋愛映画に需要があるんだから、次のステップとして30代の人もこんな映画を求めているんじゃないかなという気がして。これが定着してきた時に、「起源はあの映画からだよね」ってなると嬉しいなと。今の時代的に可能性はあると思うし、そうなってくれたら良いなと思います」

吉田「大人だってドキドキするし、キュンキュンするし、恋したいと思っているけど、大人だから「そんなこと言えない」と感じている方々が、この映画を観て「あ、言っていいんだ。恋していいんだ。」と思ってもらえたら嬉しいですね。あと飛鳥という女性が不器用で恋愛について学習しないんだけど、心に正直で最後には色んなことを含めてそれが私の人生だと受け入れて肯定してあげることが観終わった後の清々しさに繋がっている気がします」

鈴木「そのためにファッションやメイク、劇中に登場するスイーツとかはスタッフが頑張ってくれました。やはり30〜40代の人が観た時に裏切られない、納得できる世界観は大事にしましたね」

 

IMG_3048 (1280x853)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STORY

人気パティシエの剛田飛鳥(吉田羊)は人生の節目節目で恋愛に走ってしまい、仕事や親友を無くしてきた。そんな飛鳥は、遺伝子で恋愛を診断するという“ラブドック”を見つける。そこで処方されたのは、危険な恋愛をストップできる特別な薬。果たして彼女の恋愛模様は軌道修正できるのか?

 

☆メイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ラブ×ドック』’18年/日/113分

監督・脚本:鈴木おさむ

出演:吉田羊、野村周平、大久保佳代子、成田凌、広末涼子、吉田鋼太郎(特別出演)、玉木宏、他

ミュージックディレクション&主題歌:加藤ミリヤ

※5/11(金)全国公開

http://lovedoc.asmik-ace.co.jp/

 

Ⓒ2018『ラブ×ドック』製作委員会


PR
2018.10.20号
monthly cover artist
デジタルブックを立ち読みする
  • facebook
  • twitter
  • instagram

フライング・ポストマン・プレス HOME

fppshop
FPP×AFRO FUKUOKA