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フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2017/06/09

『TAP THE LAST SHOW』水谷豊監督が来福!

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構想40年、水谷豊が満を持して監督に初挑戦!タップダンスをモチーフとし、「ドキュメント」と「ショウ」と「映画」を感動でつないだラスト24分にもおよぶ圧巻のステージはぜひ、劇場で!水谷豊監督、岸部一徳さん、ダンス監修のHIDEBOHさんが来福し会見を行った。

 

――なぜタップダンスを題材に映画を作ろうと思われたのでしょうか。

水谷「これは40年以上前になるんですが、気がついたらタップダンスを題材に映画を作りたいと思っていました。なぜそういう気持ちになったかを考えたときに、僕の中にチャップリンがいたんです。子どもの時に大好きだったチャップリンがまるでタップを踊っているように見えたんです。それから後に見た、ハリウッドのフレッド・アステアやジーン・ケリーなどの作品をリバイバルで目にしたとき、自分の中で“いつかタップダンスの映画を作りたい”と思いました」

 

――構想40年、タップダンスをテーマにしたことで新たに気付いたことがあれば教えてください。

水谷「みなさんの頭の中では恐らくタップダンスがあれだけの音楽に対応できるダンスだとは思っていないんじゃないかなと思います。僕の中ではずっとそれを証明するものをやりたかったんです。世界に通ずるタップダンサーのHIDEBOHさんが僕のイメージ以上の素晴らしいショーにしてくれて、全部が僕のイメージを超えた嬉しい日々でした」

 

――構想の段階では俳優として、監督として、どちらでお考えだったんでしょうか?

水谷「元々、監督をやるとは思っていませんでした。20代、30代、40代とトライしてダメだった夢だったので50代では諦めていたんです。でも、60代でやっぱり諦めきれず、その話をしたら、プロデューサーがすごく話に乗ってくれて実現した夢だったんです。“この世界を表現できる人は水谷さんしかいないと思う”とプロデューサーに言われて、そこから監督としてのイメージが膨らんでいきました」

 

――HIDEBOHさんは水谷監督のリクエストをどのように形にしていきましたか?

HIDEBOH「監督がお書きになられた明確な演出書を元に我々は作っていきました。起承転結がはっきりしていて、日本の春夏秋冬をいろんな音楽のジャンルに織り交ぜてタップダンスのショーを作るということを、かなり明確に監督が構想されていたので、その構想の中で楽しみながら自由に振りをつけさせて頂きました。映画ということでストーリーがあって、登場人物たちのそれぞれがラストのダンスシーンに向かってどんな感情を持って臨むのか。タップダンスはしているんですが、我々ダンサーとしては作ることができない、タップダンスを超えた世界を経験させて頂きました」

 

――岸部さん、HIDEBOHさんから見て監督としての水谷さんはいかがでしたか?

岸部「長い構想の中で映像的なことも含め、水谷さんの頭の中に明確なものがあったのだと思います。彼には迷いが全くありませんでした。出演している側は安心感、そして絶対的な信頼がありましたね。何本も撮ってきた監督のようでしたよ」

HIDEBOH「監督は俳優として渡という役も劇中で演じていますが、現場では僕らにとってはずっと“監督”なので、いつ渡に切り替わったのか分からないんですよ。でも、完成した作品を見るとちゃんと渡がスクリーンにいるんですよね」

水谷「自分の中で切り替えはしていないつもりだったんです。でも、ショーのシーンを撮影し終えた後に僕のアップを撮影することを忘れてカメラマンに「僕は全然いいから、渡のアップを撮って」って言っちゃんです()。自分に戻ると恥ずかしかったですね」

 

――監督をやられて初めて気付いたことはありますか?

水谷「スタッフの才能ですね。俳優をやっているときはスタッフと深く付き合うということはあまりないんです。でも、今回、ロケハン、美術関係、衣装やメイクと全てのスタッフたちと打ち合わせをするということが初めてだったので、いかにスタッフたちの才能がすごいかがよく分かりました。それと同時に監督になったから役者一人ひとりの作品への想いも見えてくるようになりました」

 

――ダンサー役の方たちは役者さんではない方がほとんどでしたがキャスティングのポイントはあったんでしょうか?

水谷「最後まで考えたのはそこでしたね。オーディションを何度もやったんですが、タップができる役者にするのか、芝居はやったことがない本物のタップダンサーにするのか…オーディションでもなかなか最初は、はっきりした差が見た目以外、正直分からなかったんです。ある日のオーディションで僕が「A」ってつけた後にフッと隣りのヒデちゃん(HIDEBOH)を見ると「C」って書いてたんです()。ヒデちゃんはその人のタップを見ると今までどのくらいやっていて、この期間あればこのぐらいのところまで辿り着けるって分かるんです。そこから僕は採点しないことにしました。そして、オーディションの本当に最後の方に“うちのもちょっと見てもらっていいですか?”ってヒデちゃんのお弟子さんたちが来たんです。その時に出てきたのが重要な役を演じているMAKOTORYUICHI、そして最後のショーで春やワルツを踊る女性たちだったんです。彼らが踊ったときにタップの素晴らしさ、“これがまさに僕の思い描いていたものだ!”って。彼らを見た時に僕の中のキャスティングの迷いは吹っ切れましたね」

 

――ダンサーたちの熱意もスクリーンから伝わってきます。

HIDEBOH「私を含め、タップダンスをやっている人にとって、タップダンスをメインにした映画ということがまずないことだったので、“やってやるぞ”というみんなの熱意がすごかったですね。ただショーを見せるだけではなく、そのショーができるまでのストーリーも描かれているので、彼らは本当に体力の限界まで踊りきっています」

岸部「撮影をしている時も本当のオーディションを受けているような感じで、撮影ということを忘れているんじゃないかなって思うぐらいでしたね」

 

 

 

 

STORY

―――舞台の向こう側にある輝く感動を超えた世界。自分のタップダンスなら、観客をもそこに連れて行くことが出来ると思っていた。危険と隣合わせの高所でのタップ。自分も観客も最高潮の瞬間に、その男・渡真二郎(水谷豊)は舞台の床に叩きつけられた。…光の向こうの素晴らしい世界を垣間見て。それから十数年…足を引きずり、酒におぼれた渡は、天才という名をほしいままにした栄光のダンサーとはかけ離れた生活を送っていた。そんな渡のもとへ、旧知の劇場支配人・毛利(岸部一徳)から「最後のショーを演出してほしい」という相談を持ちかけられる。最高の舞台で劇場を閉めたいという毛利を前に、渋々引き受ける渡。そんな彼の前に、それぞれが事情を抱えた若手ダンサーたちが集まって来る。いつしか、自分が垣間見た世界を、若きダンサーたちに託そうと決意する渡。彼の中の止まった時間が、再び動き出す。

 

 

 

そして、この日完成披露試写会がイムズホールで行われ、出演者たちにより圧巻のダンスパフォーマンスの披露、水谷監督、岸部一徳さん、HIDEBOHさんによるトークショーも行われた。

 

 サブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TAP THE LAST SHOW

監督:水谷豊

出演:水谷豊 岸部一徳 北乃きい 前田美波里 六平直政 清水夏生ほか

タップダンス監修振付:HIDEBOH

6/17()よりT・ジョイ博多、福岡中洲大洋、T・ジョイリバーウォーク北九州、ほかにて公開

http://www.tap-movie.jp/

 

 

 


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