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フライング・ポストマン・プレス 福岡版

2016/12/16

シリーズ史上最も泣けるSW『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

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 ついに今週末公開される全世界待望のSWシリーズ最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。『エピソード4/新たなる希望』の直前までを描いたアナザー・ストーリー。反乱軍の寄せ集め極秘チーム<ローグ・ワン> が、銀河全体を脅かす究極兵器デス・スターの設計図を奪うという97.6%生還不可能なミッションに挑んでいく。率直な感想はこうだ。SWシリーズは、昨年の『エピソード7/フォースの覚醒』まで全7作が公開されているが、こんなにも泣けるSWは観たことがない——。寄せ集めだった<ローグ・ワン>の面々がわずかな希望を胸に、しだいに信頼関係を築いていき、自己犠牲の精神を持って信念を貫き通す。そのエモーショナルな人間ドラマは、かつてのシリーズにはなかった感動と共感が溢れて涙してしまう。それも一度や二度ではない。クライマックスへと進むに連れ、その感涙の波は、怒涛のように押し寄せてくる。

 

 まず、フェリシティ・ジョーンズ扮する主人公ジン・アーソ。幼い頃、帝国軍に連れ去られた科学者の父、ゲイレン・アーソが、デス・スター建設に関わっていることを知り、真相を明らかにすべく命懸けのミッションに挑んでいく。家族の物語はSWシリーズの真骨頂だが、本作では父と離別し、孤独なアウトローだった彼女が、仲間と出会い、共に戦っていくことで絆を知り<ローグ・ワン>を率いるまでに成長していく。その姿に立ち向かう勇気や、諦めない心を知ることだろう。

 

 さらに、国際色豊かなキャスティングも見どころ。特にアジアが誇る盟友ドニー・イェン演じるチアルートの活躍は見逃せない。フォースを頑なに信じ、聡明な人柄でチームに安心感をもたらしている。何より盲目ながら棒術の使い手が見せる、ハイスピード・アクションの数々は圧巻。同じアジア系の相棒ベイズ(チアン・ウェン)との絶対的な信頼関係、仲間のために自らの命すら捧げる覚悟。その信念に満ちた彼の姿は、必ずや観客の胸を打つことだろう。


 そして忘れてならないのが新ドロイドK-2SO。元々帝国軍だったK-2SOをキャシアン(ディエゴ・ルナ)が再プログラミングしたことで、ふたりは深い絆で結ばれている。普段は独善的で自信家のK-2SOが、孤独だったジンの心を溶かし、敵との格闘では身を挺してジンとキャシアンを守り抜く。もはや感情のないロボットではなく、深い愛を知るひとりの人間のような姿に、溢れる涙が止まらない。

 

 そんな人間ドラマの数々が印象深い理由。それは地上戦を多く取り入れることで、生身で戦う姿、極限状態で生まれる情動が、共感を誘うから。それぞれに特技があるとはいえ、フォースを持たない普通の人間が、一蓮托生で繰り広げる帝国軍との戦闘は、もはや戦争映画を観ているようで、胸を締め付けられる。銀河を舞台に女性の主人公が先頭に立つ戦いは、“これまでに体感したことのない戦争映画”に映るかもしれない。それほどの感動が詰まっている。

 

 もちろんSWの世界観は踏襲し、これまで謎に包まれていた設計図奪還の経緯を誰もが納得できる完成度で描き切っている本作。鑑賞後は『エピソード4』が観たくてたまらなくなると同時に、その景色が変わって見えることだろう。“最後の希望”が“新たなる希望”へと繋げていくバトン。39年間ずっと「反乱軍のスパイが設計図を盗み出し…」のたった一文だった彼らの活躍と本当の姿が、長い長い時を超えて今、明らかになる。

 

 SWの生みの親ジョージ・ルーカスの遺伝子が、新鋭ギャレス・エドワーズへと受け継がれ、日本文化へのリスペクトと、深いSW愛を持って届けられた“とんでもないクリスマスプレゼント”。そんな喜びを隠しきれない。

 

 

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』’16年/米/134分

監督:ギャレス・エドワーズ 製作:キャスリーン・ケネゲィ

出演:フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、ベン・メンデルソーン、ドニー・イェン、チアン・ウェン、他

http://STARWARS-JP.COM/R1


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