エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

FLYING POSTMAN PRESS

スペシャルインタビュー「サカナクション」

人は変わるものだし、
同じところにいつまでもいられない。

——大義やファンをどこに連れていこうかと考えることと、音楽家として作りたい音楽、表現をしたい欲望。それらをどうバランス取ってるんでしょう?
「それがあるから、何を作ろうかと思える。そのためにどういう音楽を作るか。もちろんゼロを1にする時の作業はすごくパーソナルですけど、そのパーソナルなものをどういうふうに届けるか。そこで煮詰まるんです」
——『新宝島』の前までは、“郷愁”がテーマだったという話ですが、今作の歌詞も「思い出す」「思い出」という言葉が多いですね。
「うん。童謡の『椰子の実』みたいに、海から椰子の実が流れてきて、故郷を思うみたいなね。そういう郷愁だけじゃなくて、例えば童貞を捨てた時の気持ちとか、初めてステージに立った時の気持ちとか。また、自分を振り返るとか、今の自分とピュアだった自分、モラトリアムだった時の自分の比較にすごく執着したんです」
——思い出す過去は、自分にとって美しい、キレイなものという認識ですか?
「なんかこう……変わってしまうじゃないですか、自分って。ましてや、僕は北海道から東京に出てきてるから。ある種、すれっからしになってるなって思うんです。いい意味でも悪い意味でも。けど変わらないところもある。変わらないまま変わっていってる自分がいて、じゃあ変わらない部分ってなんなんだろうって」
——ほんとの自分はどっちに近い?
「思春期の頃の自分だと思いますね。22、23歳まで。そこからアンテナって鈍っていくじゃないですか。16から22,23歳ぐらいまでの感覚の貯金で、今僕は音楽をやってると思う。その感覚を忘れないようになぞってると思いますよ。10代の頃って泣こうと思えば泣けたんですよ。映画とかを観て。簡単に感動できたし、簡単にのめり込めたし、簡単に集中できた。僕は石川啄木の短歌を読んだ時、こんななよなよしい奴好きになるかと思ってたけど、年を重ねてきて、その気持ちがわかってくる。多感だった時にはその繊細さが刺さり過ぎて引っ掛からなかったのが、鈍感になって、丁度良くなるっていうか。だから……自分の感覚がどのラインにあるのかを確認するためにも、一番多感だった頃の自分の感性を感じることは……僕らみたいな人種には必要なのかなって」
——東京と札幌の距離感とか今の自分と昔の自分の距離感。昔を思い出して今自分がいる地点を確認する、それはいろんな人に通じるテーマですね。
「人は変わるものだし、同じところにいつまでもいられない。そういう実感は誰もが持っているし、きっと刺さるんじゃないかな。誰もが通ったことのあることを、当たり前に歌ってるだけだから。刺激は少ないかもしれないけど、5年後に聴き返しても共感してもらえるところがあると思います」
サカナクション
’05年に活動をスタートし、’07年にメジャーデビュー。文学性の高い歌詞やフォーキーなメロディ、ロック、クラブサウンドまで幅広い音楽性、また圧倒的なライブステージの見せ方、アートワークなど、高い評価を受ける。現在の音楽シーンを牽引するロックバンド。
https://sakanaction.jp/
834.194
『834.194』
完全生産限定盤A(CD2枚組+Blu-ray) \5,900(税別)VIZL-1590
完全生産限定盤B(CD2枚組+DVD) \4,900(税別)VIZL-1591
通常盤A(CD2枚組) \3, 500(税別)VICL-65194~95
※now on sale
クレジット
Hair-Make Up by Asami Nemoto
Styling by Shinichi Mita(KiKi inc.)
Photography by Satoshi Hosoya(MetroSpace,inc.)
Interview & Writing by Dai Onojima

PR

FLYING POSTMAN PRESSは全国5都市で配布しています。