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スペシャルインタビュー「Eve」

夢から目覚めた先に何があるのか——
この作品を出すことで見えてくるといいな

 
こうした実感の中、アルバム『おとぎ』の制作は進められていった。『文化』と同じくMahが描いたイラストのジャケットが象徴するように、ふたつの作品は地続きのものだという。

「『文化』と『おとぎ』は切っても切れないものだと思います。『文化』を発売する前から、『トーキョーゲットー』や『アウトサイダー』のデモはあったんです。だから、このアルバムにはその頃の感情や気持ちも入っている。そういうこともあって、Mahさんには『文化』と同じような構図で描いて欲しいと伝えたんです。ただ、『僕らまだアンダーグラウンド』とか『君に世界』という曲は、もっとその後にできたもので。それくらいになってくると、また気持ちの変化があった。曲の並び順はなるべく作った順番になるようにしているんですけれど、次に繋がる2曲になったんじゃないかと思います」
スペシャルインタビュー「Eve」
Eveが語った“気持ちの変化”は、きっと自分の内面だけを深く覗き込んでいた『文化』の制作の頃から、リリースやライブを経て、自分自身の音楽が届き、それがたくさんの人の心に響いていることを実感したことと無縁ではないだろう。

リード曲『僕らまだアンダーグラウンド』の「あの日から 僕らは共犯者だった」という歌詞が最も象徴的だが、『おとぎ』というアルバムには「君」や「僕ら」という言葉が歌詞にちりばめられている。『文化』とモチーフは同じでも、その視界の半径は「僕」から「僕ら」へと広がっているのだ。

「歌詞に書いてあることって、音楽じゃなかったら言わなくていいこと、言う必要のない気持ちだと思うんです。前回のアルバムもそういうことを書いている箇所があった。でも、聴いてくれている人が自分に置き換えてくれたり、共感してくれているのを感じて。みんなもそう感じている、音楽を共有できたという実感がたびたびありました。それはすごくうれしかったですね」
『おとぎ』は『slumber』という曲で幕を開け、『dawn』でエンディングを迎える。それぞれ“まどろみ”“夜明け”と名付けられた2曲が象徴するのは、このアルバムが物語性を持ったコンセプチュアルな一枚であるということだ。まるで夜に見る夢のような、非現実的だけど、とてもエモーショナルで切ない余韻を残す全11曲になっている。

「『おとぎ』というタイトルは当初から決まっていたわけではまったくなく、すべての曲が揃った段階で考えました。『文化』の時からそうでしたけれど、ミュージックビデオが童話のような、現実の要素の中に非現実的な要素が入っている、夢の世界のようなもので。だから、まるで夢を見ているような感覚になったんですね。そして11曲目の『dawn』で、夢から目覚める。次にどうなるかは僕もまだわからないしワクワクしているところなんですけど、夢から目覚めた先に何があるのか、それはこのアルバムを出すことによって見えてくるといいなって思ってます」
スペシャルインタビュー「Eve」


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