エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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降谷建志の2ndソロアルバム『THE PENDULUM』が完成した。前作から3年、“振り子”を意味するタイトルが冠された本作で、降谷はより自由なアートフォームとしてのソロ表現を解放している。間もなく30代を終えようとする音楽家の、質実剛健かつ幸福な実像がここにある。

心を揺り動かすベクトルがわかってきて、
ライブがすごく楽しくなってきた

——1stソロアルバム『Everything Becomes The Music』のリリース後、ライブをやってみて感じたことがたくさんあったと思うんですね。Kj and Ravensという固定メンバーのバンド(ギター=PABLO/Pay money To my Pain/POLPO、ベース=武史/山嵐/OZROSAURUS、キーボード=渡辺シュンスケ/Schroeder-Headz、ドラム=桜井誠/Dragon Ash/ATOMON ON SPHERE)でステージに立つことも含めて。
「そうだね。俺とサク(桜井)は十代の学生時代から一緒にバンドをやっていて、“ヨーイドン!”で音を鳴らし、一番盛り上げたやつが勝ちっていう盛り上げ競争の螺旋の中でしか音楽をやってきてないわけ。その世界ではオーディエンスも板(ステージ)の上に立つ俺らも半狂乱状態になって、“もう1曲もできません!”みたいな状態になることが最大の目的で。特にDragon Ashはそう。そういう中で音楽をやるのはめちゃくちゃシビれるし、やりがいもあるし、全音楽ジャンルの中でラウドなロックバンドのライブが一番楽しいと俺は明確に思ってる。リスナーとしてはいろんなタイプの音楽を聴くし、いろんなライブも観るけど、そのカッコ良さは(ロックバンドが)圧倒的だと思う。でもソロはそれ以外の世界で音楽をやることが目的。だから、The Ravensのライブでは客を煽らない。自分で望んでそういうライブをやってるんだけど、今までに経験のないことだから違和感も覚えたところがあって」
——演者としてはそういうライブの耐性がないから。
「そうそう。でも、最近はちょっとライブの流れを掴み始めていて。鍵盤のしゅんちゃんとかギターのPABLOは、人の筋肉が動いているからといって心が動いているわけではないということをよくわかっているのね。そういう音楽をずっと探求してるから。俺とかベースの武史君とか、サクはどうしても筋肉と心のどちらかを揺り動かせたいかと言ったら、筋肉ですって感じのプレイヤーだから。でも、今は心を揺り動かすベクトルがどんどんわかってきて、ライブがすごく楽しくなってきた」
——自ずとそのモードはこの2ndアルバムにも反映されてますよね。
「うん。2ndはライブを重ねてこのメンバーで演奏することがわかった上で作ってるからね。1stよりももうちょっとオルタナ色の強い、下げるところはとことん下げて、上げるところはリミッターより上げちゃってみたいなバランスで作ってるから、振り幅は広くなったと思う」

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