エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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2006年にシングル『シンクロ』で鮮烈デビューを果たした秦 基博。澄み切った歌声とエバーグリーンな歌の世界観は多くの人たちを魅了する。デビュー10周年を記念し、5/4には横浜スタジアムでのライブ、6/14には自らの名前を掲げた初のオールタイム・ベスト盤『All Time Best ハタモトヒロ』をリリースする。今聴いても瑞々しい輝きを放つ楽曲について、彼にとってのこの10年について話を聞いた。

曲を作っては歌う
その繰り返しの先に10年があった

――デビュー10周年おめでとうございます。この10年はどんな時間でしたか?
「あっという間の10年でしたね。1曲ずつ曲を作っては歌うの繰り返しの先に10年があったという感覚です」
――今作をどんなふうに感じていますか?
「聴き直してみると、その時々の全部が詰まっていました。そして一番思ったのは、その時にしか書けない歌、歌えない歌を書いてきたなってことです。例えば、デビューの頃の曲だとミュージシャンとして始まっていくある種の初期衝動的なものがたくさん入っているし、年齢やキャリアによって視点も変わっている。自分の置かれている状況もそうですし、世の中で起こっていたことが曲になってます。同じテーマで曲を書いたとしても、今と昔では違う切り口や表現になると思う。その時々の事象を如何に切り取るか、という点ではシンガーソングライターの在り方として良かったな、と」
――楽曲タイアップの多さにも改めて驚きました。作り方に違いはあるのでしょうか?
「タイアップだから作りやすいとかはなく、どちらも同じですね。映画、ドラマ、アニメなど元になる作品があって、そこから得られる刺激でイマジネーションを呼び起こすという点では何もないスタートとは違いますが、そこから先は一緒なんですよね。その作品が何を言おうとしているのか、そこに対して自分は何が言えるのかということを考えているので。映画は2時間かけてひとつのテーマを伝えていくわけじゃないですか。その2時間後、エンドロールで流れる5分間で同じことを言おうとしても意味がない。“でもそこに音楽がある意味とは?”と考えると、作品とタイアップ楽曲は似て非なるものとして在るべきだなって思うんです」
――なるほど。
「イメージとしては円と円のどこか一部分が重なっている感じ。同じ根っこで繋がりながら、違う解釈や違う景色がさらに広がっていく感覚ですね。だからその作品が言わんとしていることを見つけ、何を感じて何を一番歌にしたいかってことが重要で。だから自分でテーマを見つけて曲を書くことと結局は同じなんですよ」
――確かにそうですね。
「お話をいただくタイミングや、自分の年齢が20代前半か30代後半かでもピンとくる部分も微妙に違うだろうし。その時感じた素直なものが自分の表現なんだと思います。もちろん自分の曲がその作品の一部として世界を広げて欲しいと思いますが、その作品が終わったとしても僕はその歌を歌い続けていくわけで。だから自分の曲として成立してないといけない。その辺りは毎回意識していますね」
――音楽が音楽として成り立っていること。
「はい。曲として違う物語がもうひとつある。でも、その映画やドラマと合わさるとまた違うものが生まれる、というのが理想ですね」
――そういう意味で言うと映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌になった『ひまわりの約束』は大きかったのではないでしょうか?
「聴いてくれる層が大きく広がった曲になりましたね。あと、カラオケや合唱、結婚式などでもたくさん歌っていただいているみたいで。自分が歌うだけじゃなく、他の誰かが僕の曲を歌って伝えてくれる。ドラえもんとのび太から始まった物語が大きく違う景色を見せてくれたんです。これは初めての体験でしたね」

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