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スペシャルインタビュー「エレファントカシマシ」

人というのは基本的には変わらないもの

――過去にもベストアルバムはリリースされていますが、レーベルを越えて選曲したベストアルバムは初ですし、初回限定盤のライブ映像集も非常に貴重なもの。作品の選曲に関してはいかがですか?
「『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』っていう名前は付いていますが、ベスト盤っていったら、入れたい曲はたくさんあるわけで。だからどういうアルバムにするのかをみんなで話し合いました。この作品はエレファントカシマシの基礎であって、30周年記念盤だ、と。だから『今宵の月のように』と『悲しみの果て』、『ガストロンジャー』、『ファイティングマン』っていうバンドの代表曲を入れ、その上でまだまだたくさんある曲の中から的を絞って選びました。Disc 1の「Mellow & Shout」とDisc 2の「Roll & Spirit」は、僕が曲を選ぶ時に付けたテーマをそのまま活かしたんですけど、的の絞り方が所謂ベスト盤の考え方とは違う気がしています。30周年、30曲、3000円っていう設定もおもしろかったし、このアルバムを象徴しているのがユーミンの偉大な名曲『翳りゆく部屋』だとも思っていて。僕が親しみ、尊敬する曲なんですが、打ち合わせ中には、“他にもいっぱいいい曲があるから、あえて入れる必要はないのでは?”っていう意見もあったんです。でも『翳りゆく部屋』を含めた間口の広さこそがエレファントカシマシなんだ、と。そして欲を言えば、このアルバムをきっかけにライブに足を運んだり、作品を深く掘り下げてくれたらうれしいなという願いを込めて選曲しました」
――Disc 1の「Mellow & Shout」とDisc 2の「Roll & Spirit」はわかりやすく言えば、Disc 1が歌モノ寄りであるのに対して、Disc 2はロックンロールということだと思うんですけど、そのカテゴリーを入れ替えても成立する曲は多いですよね。
「それこそ、「Roll & Spirit」に収録した『大地のシンフォニー』は「Mellow & Shout」に入れてもいいのかなとも思うし。おっしゃる通り、確かにどちらに収録してもいい曲は少なくないですね」
――ライブで盛り上がったり、立ち上がったりしたオーディエンスを怒鳴りつける勢いで活動していた初期と現在。バンドはどう変わったと思いますか?
スペシャルインタビュー「エレファントカシマシ」「人というのは基本的には変わらないものだと思っているし、『ファイティングマン』のような初期の作品にドーンとしたバンドの基本、僕の歌詞の基本が全部入っていると考えています。このアルバムには入れなかったんですけど、1stアルバムに入っている『やさしさ』で歌っている“何をしても どこに行っても 体が重たくて ああ 今日もいつもと同じ”という一節と、ドラマの主題歌にもなった『今宵の月のように』で“くだらねえとつぶやいて 醒めたつらして歩く いつの日か輝くだろう あふれる熱い涙”という一節は全く同じテーマだと思っています。エレファントカシマシの昔の曲が愛されているのは、同じバンドメンバーで同じテーマを歌っている驚きと信頼を感じてくださっているからなのかなって。プロデューサーを変えたり、NYでレコーディングをしたり、自分自身が新鮮でいられるように、見え方、見せ方の変化は歌詞においてもあるかもしれませんが、大筋は変わりようがないし、変えようがないんですよね」

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