エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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スペシャルインタビュー「大森靖子」

第0感、ZERO SENCEで生きていかないとキツイ

――『TOKYO BLACK HOLE』という言葉にも繋がっていく感覚ですね。
「私自身は空っぽだと思ってるんですけど、そうやってたくさんの取り巻くもの全部が明日なくなってしまっても、第0感……つまりZERO SENCE、何か感じるものがあるみたいな、そういうもので生きていけるような人格を形成していかないと、もう日本はキツイよねっていうのはすごく思ってたんです。ちょうど子どもを作るくらいの時期に。こんなところに子ども産んじゃって大丈夫?みたいな」
――危機感として?
「なんだろう、いや、罪悪感(笑)。産むことに対する罪悪感です。私は“育ててあげた”って言われるのはわかるけど、“産んであげた”っていうのがずっと理解できなくて。それをやってしまう罪悪感。これから本当にどうなるかわからないから、それこそどうなるんだろうっていうのもあったし、それをどうこうしようとかいうのもそうだけど、自分がやってるのは音楽だから、どうなっちゃっても生きていけるようにしよう。それができるのが音楽だからって。とりあえず今の自分にできるのはそれだなっていうのがあったから、ZERO SENCEっていうコンセプトで曲を増やしていったんですよね」
――そうやって曲ができていく過程って、自分のテンションとしてはかなり高揚してるものですか?
「大森靖子」「曲作りとかその時点ではとてつもなく冷静ですね。“大森靖子”に必要な次の仕事はどれかって考えてるし。ライブも基本はすごく冷静で支配下にいるんですけど、その空間とか来てる人とかが今その瞬間に欲しているものを、私は音なりパフォーマンスで提供しなきゃいけないから、そっちの感覚の方が冷静さよりも早い。冷静じゃなくなるっていうよりは、そうしないと掴めないものがあるから。ライブはその積み重ねって感じですね。でもレコーディングに関してはずーっと全然わからなかったんですよ。どうすればいいんだろう?って。でも今回は妊娠して3カ月ぐらいライブを休んでたので、レコーディングに集中できたんです。マイクとかも買ってみたりして歌い方もいろいろ試せたし、初めて“音を作る”っていうことに向き合えた気がします」
――変な言い方ですけど、“歌う”っていうことにもすごく向き合ってますよね。
「表題曲の『TOKYO BLACK HOLE』とか、(カーネーションの)直枝さんと歌ってる『無修正ロマンティック~延長戦~』もそうだけど、いつかやってみたかった歌い方なんですよ。今回はいろいろストックしてたのがやれた感じ。だって年末の歌番組とかもその目線でずーっと見てましたからね(笑)。それくらい“歌いたい”気持ちも溜まってたんだと思います」

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