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前作『洗脳』から1年3カ月ぶりとなる、大森靖子のニューアルバム『TOKYO BLACK HOLE』が3/23リリースされる。昨年秋に第一子を出産したばかりだが、ライブ活動も早々に再開し、今年1月には自身の壮絶な半生を激白した書籍『かけがえのないマグマ 大森靖子激白』も出版した。大森靖子は今、とてつもないエネルギーを放ちながら日々を生きているようだ。

突き放したんです、“大森靖子さんに曲を書いてあげます”って

――最近は赤坂BLITZでのワンマンやテレビ番組への出演、最果タヒ氏との共著『かけがえのないマグマ 大森靖子激白』の出版、そしてアルバム『TOKYO BLACK HOLE』(穴盤には、出産の瞬間までの1カ月を記録した初の書き下ろしエッセイ付)のリリースなど、一気に放出モードになってるようですね。
「そうですね。エッセイとかは“(妊婦中)他の仕事ができないからこれだけはやるぞ!”みたいな義務感もあって、完全に引きこもって書いてたんですよ。結構ワーカホリックなところがあるので。それに妊娠中は自分の体を100%自分だけで使えなかったから、(出産した後は)“よし、私だけの体になったぜ!”って感じで、そういうモードになったのかもしれないですね」
――そのアルバムについてですが、作り始めるきっかけはどういうところだったんですか?
「妊娠するちょっと前ぐらいから作り始めたんですけど、メジャーデビューをしてから少し疲れていたので、どこかでちょっと止まりたいと思ってたんです。すごく冷静にこれからのリズムとか、これから自分が世の中に出すべき曲や順序、やるべきことを考え、まず『マジックミラー』を作りました。大森靖子はこういう人で、こういうことを考えていて、こういう活動をこれからしていきますっていう指針みたいなものをちゃんと説明できる曲がないといけないと思ったから」
――なるほど。
「でも“自分はこういう人間です”みたいなことを言うのは苦手なんです。自己表現の欲求とか自己顕示欲みたいなものは全然ないから苦手だったんですけど、それをやんないと“こいつ、インパクトだけで終わって流れてっちゃうな”みたいになると思って。でもこういうのって全然“ポップ”にならないじゃないですか」
――題材として見ると?
「はい。で、ギリ“ポップ”にできるメロディなりキャッチーなフレーズなりをがんばって入れ込んで作ったのが『マジックミラー』だったんです」
――苦手にしてたラインを越えられたわけですか?
「いや、突き放したんですよ。“大森靖子さんに曲を書いてあげます”みたいな感じ。“あなたはこういうことをしなさい”“あなたはこういうことを歌いなさい”って。そうじゃないとできなかったから。私は今までいろんな人を見て、その人のことを書くことによって自分を入れ込むみたいなやり方をしてきたんです。完全に“自分を”っていうのをしなかった。完全に“自分を”ってやっちゃうと、さらに自分のことを書かなくなったんですよね。自分の中からポッと出てきたものでは書かなくなった。完全に“自己表現”じゃなくなったからこそ今回こういうやり方をすることで、結果的に自分のことが一番うまく表現できたんです」

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