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スペシャルインタビュー「ドレスコーズ」

バンドというのは恋人と同じで選べないもの

――即時性のある作品、つまり今まさに起こっていることをちゃんと捉えたい、と。
「はい。そういう思いもあって“オーディション”というワードが腑に落ちたんですね。東京オリンピックだったり安保法案のようなニュースであったり、そこまで大きい話じゃなくても、僕らは数ある選択肢の中から毎日何かを選んで今まで生きてきた。つまり、今まで無数のオーディションをくぐり抜け、今がある。仮にどこかの時点で別の選択肢を選んでいたら、自分の人生は同じではないでしょうし、パンにしようかおにぎりにしようかというような小さな選択肢から大きな選択肢、それがここ最近のニュースだったりする。僕らのようなミュージシャンもそれは同じで、今は昔以上に選択肢がある。例えばYouTubeには関連動画が縦にずらっと並んでいて、極端に言えば、観る人は動画のサムネイルだけで判断するわけで。そして、そこのオーディションに受かろうといろんな人が日々試行錯誤しているんですよね。そういうことを考えながらこの作品を作り始めたんですけど、選ぶということを考えると、同時に選べないものについても考えることになるじゃないですか」
――例えば、子は親を選べないっていう言い方もあったりしますからね。
「ドレスコーズ」「そうそう。そうなった時に自分の中でバンドというものがまたハッキリしてきたんですよ。つまり、バンドというのは恋人と同じで選べないものなんですよね。ひとりの恋人を全世界の人口の半分いる女性の中から客観的じゃなく主観的に選ぶように、バンドというのも他の可能性に目を瞑って、そのメンバーにしかできないことを選ぶことで成り立つ集合体。そしてソロプロジェクトになったことで、僕はバンドの枠組みを飛び出した。ドレスコーズという名前を残したまま誰とでもやっていい状態になったんですけど、そうなった時、ドレスコーズというバンドの意味合いが変わった。何を着てもいい中で、その時に設定したドレスコードによって自分の音楽性を規定するスタイル。それが僕にとってのバンドなんだと思ったんですよ」
――すごい! すべてが腑に落ちましたね。
「ね(笑)。そういう心境に至るまでに時間がかかってしまい、アルバムの完成がギリギリになってしまったという(笑)」

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