エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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その時代を象徴するMUSEは、いつだってスクリーンの中にいる。少女マンガ不朽の名作『ホットロード』の、30年越しに叶った実写映画で主演を務める女優・能年玲奈。孤独感やどうしようもない怒り、愛を求める強い気持ちを澄んだ瞳に映し、伸びやかな四肢で“生きること”そのものを表現する…。彼女が本作で見せたその姿は、まさに時代のMUSEの呼び名にふさわしく、圧倒的に光り輝いている。原作への想いから、現場で共演者と向き合って生まれた想いまで。だから今、そしてこれからも、能年玲奈から目を逸らせない――。

和希の中で春山の存在が大きくなって、気付いたら大事な存在になっていった

――原作者の紡木たく先生が“能年さんの存在があったからこそ実写映画化できた”とおっしゃっていますが、主演の話を聞いた時は率直にどう感じましたか?
「原作者の方に認めていただけたということは、本当にうれしかったです。こういう、たくさんの人の心に大事に残っている作品を実写映画にするということは、すごくデリケートな部分があるものだと思います。だからやるからにはみなさんの想いを大切にして、慎重に演じていきたいと思いました」
――和希という女の子を、能年さん自身はどう捉えていたんですか?
「とても不器用で、でもすごく一生懸命な女の子だと思います。共感したのは、その一生懸命な感じと、親に対する反抗心でした。ただ、私はすぐに口に出してしまうタイプで、イライラしたらワーッとぶつけてしまっていたんです。だから思春期の頃は本当に毎日お母さんとケンカばかりで(笑)。和希の反抗の仕方とはだいぶ違っていたと思います」
――和希は“溜め込んで爆発させる”タイプですもんね。その都度、心のうちを言葉にしない分、台詞回しというより、表情で物語ることを多く求められたのでは?
「はい。そこは私自身、考えて演じていた部分です。最初はわかりやすい動きで和希の一生懸命な感じを表現しようと思っていたんです。例えば、歩き方を少年っぽくしてみたり。でも、そういう私の演技を見て三木(孝浩)監督が“そういうのなし。何も考えず、何もしないで”と。衝撃を受けました。“何もしないで”という演出を受けたのは、これが初めてだったので」
――準備していた演技プランが最初に崩れたわけですね。それは戸惑いますね。
「ちょっとびっくりしてしまいました(笑)。でもその監督の言葉を聞いてから、和希としてその場にいようと、この空気感を大事にしようと意識を切り替えたんです」
――和希が惹かれていく不良少年・春山(登坂広臣)は、和希にとってどんな存在だったと思います?
「春山は、和希にとって“初めて自分の領域に踏み込んできた人”。初めて会った時に土足で心に踏み込んでこられたことは和希にとって衝撃的で、だからこそむかつくけれど強烈な存在として残ったんだと思います。和希はお母さんに愛されていないんじゃないかと考え、孤独を感じています。そういう女の子にとっては“むかつく存在”ってすごく大事なのかな、と。だんだん、和希の中で春山の存在が大きくなって、気付いたら大事な存在になっていった。これほど自分を大事にしてくれる人も、自分が大事だと思える人もこれまでいなかった。そういう存在なのかなと」
――和希と春山が惹かれ合い、距離を縮めていく様子には引きこまれました。ふたりのシーンで、能年さん自身が印象に残っているものは?
「和希が春山に頭突きをするシーンが私は好きです。あの頭突きは和希の不器用さを表現できるものだったので、思いっきりいきたいなと思っていて。それで本番前に“(思いっきりいっても)大丈夫ですか?”と聞いたら、登坂さんが“思いっきりきてください”と。登坂さんのやさしさあってのシーンだったと思います。本当にありがたかったです」

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