エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターの後藤正文がGotch名義で初のソロアルバム『Can't Be Forever Young』を完成させた。アメリカのポストロックバンド、トータスのジョン・マッケンタイアにミックスを依頼し、生音とエレクトロニクスが溶け合ったパーソナルな音楽世界を柔らかく描き出す彼が向かう先とは果たして-----。

ソロで経験した試行錯誤は、後の音楽活動にも活かされるはず

――今回、ソロアルバムに取り組もうと思った動機はどういうものだったんですか?
「’10年に出したアジカンのアルバム『マジックディスク』の制作時に自分の中でデモを作るおもしろさ、宅録の楽しさを再確認したんです。その後震災を経て、ひとりで弾き語りのライブをやる機会が増えたんですね。でも、弾き語りライブを繰り返しているうちに“アジカンの曲ばかりやってもな……”と思うようになって、新曲を作るようになった。そして、これはアジカンの『ランドマーク』の時に感じたことなんですけど、作った曲をバンドに持っていったら“やろうよ!”ということにはなるんだけど、いざ届けてみるとお客さんが抱くアジカン像と齟齬が生じる曲ができるようになってきた。それだったら、USインディーズ、オルタナが好きだったり、もうちょっとギークな、オタクっぽい自分の趣味をソロという形で出してもいいんじゃないかなって思ったんですよ」
――宅録といってもこの作品は後藤さんの脳内をそのまま形にするかのように、いろんな楽器の演奏から録音までご自身で手がけています。作品の解像度の高さは宅録の域は完全に超えていますよね。
「そうですね。実際、今回のアルバムで使った機材は宅録とは言えないんですけど(笑)。『ランドマーク』以降、自分の中で“ソロを自分で録ろう!”と思っちゃったんで、後に『Cold Brain Studio』と名付ける自分のスタジオ環境を整えながら作業を始めたんです。取り組んでみたらできるようになるものなんですね。基本的にはギター・アンプやエフェクターを扱うのと変わらないというか、自分がいいなと思う音を見つけてそれを録るだけだし、これまでのレコーディングで培った経験の蓄積もある。それに困った時には電話一本で駆けつけてくれるエンジニアの知り合いもいる(笑)。そうした自分の中での試行錯誤が後の音楽活動にも絶対活かされるはずですからね」
――作品としては、音と言葉ともに心の趣くまま、自由な思い付きを活かした風通しのよさと有機的な生音とエレクトロニクスの融合が特徴的な作風ですね。
「そうですね。歪んだパワーコードを使わずに、アコースティック楽器をいい感じにマイクで録ることを意識したのは、ここ何年か気に入って執拗に聴いているボブ・ディランやニール・ヤング、ウィルコなんかの影響かな。それから、ドラムは自分のスタジオでバコバコ叩いたら近隣から苦情が来ちゃいますから(笑)、ドラムセットをバラしてパーツごとに録ったりしました」

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