エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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普通の大学生の普通の青春の日々が、どうしてこんなに愛おしく思えるのだろう。映画『横道世之介』で、ただ普通に、NATURALに在ることでキャラクターを生き生きと描写した若手実力派、高良健吾と吉高由里子。監督を信じて身を委ねること、実直に物事に向き合うこと…。ふたりの言葉には、真っ当で誠実な演技者としての姿勢が垣間見える。

横道世之介という青年は、何事にもきちんと反応し、向き合っている人(高良)

――大学生の横道世之介と周囲の人々の“普通の生活”を映しているだけなのに、どうしようもなく愛おしい。『横道世之介』は思い出す度にクスっと笑え、幸せな気分にもなる、何度でも観たくなるような映画です。
吉高由里子(以下:吉高)「ありがとうございます。私もいつもは自分が出た映画は一度観るだけのことが多いんですが、この映画に関しては多分、もう一度観るだろうなと思います。観た人みんな、本当にいい顔でこの映画のことを話してくれるから、感想を聞くのも楽しみで。特にそれぞれの人がどこで笑ったかを聞くのが楽しいですね。演じている私たちが思いもしなかった場面で笑ったという人も多くて」
――例えば、どの場面ですか?
吉高「私が演じた祥子の登場場面とか。祥子は社長令嬢なんですけど、下北沢で世之介とデートすることになって待ち合わせ場所に高級外車で乗りつけるんです。私としては普通にただ“車から降り立った”だけだったんですが、その姿を観ただけで笑えたという人が多くてびっくりしました(笑)。
――あそこは祥子ちゃんが大真面目であるからこそ、おもしろかったです(笑)。
高良健吾(以下:高良)「そうなんですよね。この映画の一番のおもしろさは、普通の人たちが普通に行動したり、会話しているのに、なぜか“ちょっとズレる”というところだと思っていて。実はそういうことって日常に溢れているものですよね。現実で普通に起きていることを映画の中でもやっている、ただそれだけなんです。変に“笑わせよう”と思いながら演じたら、ちょっと嫌らしい感じの笑いになってしまったと思います。コメディと思って演じなくて正解だったと、僕も観賞後に改めて思いました」
――登場人物もみんな普通ですよね。でも可笑しくて愛おしくて、いつの間にか心の奥までストンと飛び込んできて、そのままずっと残り続ける。
高良「僕が演じた横道世之介という青年は、何事にもきちんと反応し、向き合っている人です。目の前で起こっていること、目の前に立っている人、そのすべてに“横道世之介という人間”として反応し、楽しんだり喜んだり、傷付いたりできるというところが最大の魅力なんだと思う。ひとつひとつにちゃんと向き合ってきたからこそ、誰かしらの心に残ることができたのかな、と。彼は生まれてから死ぬまで、ずっと横道世之介で在り続けた。それは一見普通のようでいて、実はなかなかできることではないと思うんです。この映画を観た原作の吉田修一さんに、“普通っていうのはとてもレベルが高いことだと思った”と言っていただいたんですが、その言葉が本当にありがたくて。僕も本当にそう思います」
吉高「どうしても人は誰かしらにすり寄ろうとしたりするけれど、世之介はしない。誰と接していても、自分のテンポを守り続けるんですよね。“ここまでブレないってすごい”と、私も映画を観て改めて思いました。きっと世之介は、どんな道でも自分の歩幅を変えずに歩いていける人なんだと思います」
――きっと祥子ちゃんは、世之介のそういうところに惹かれたんでしょうね。
吉高「そうなんでしょうね。祥子は世之介のことを“今まで出会った中で一番いい男”と言いましたけど、私も世之介はいい男だと思いますよ(笑)」

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