エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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パンクとは、しっかりと気を確かにもって
自分に言い聞かせられるか、それだと思います

――『Save Us』、そしてラストの『If You Love Me(Really Love Me)』は、エディット・ピアフ『愛の賛歌』を健さん流にカバーしていて。この曲を聴いて、このアルバムにおける最大のメッセージは愛であることに気付く。
「そうですね。やっぱり最後は愛しかないんですよ。『Save Us』は最後のほうにできたんですけど、臆面もなく“Only our love can save us”と言えた。それは自分にとってものすごく大きかったですね。『愛の賛歌』のカバーは数年前からやりたいと思っていて。でも、テーマが大き過ぎて当時の自分にはできなかったんです。でも、今ならできると思った。このアルバムは、僕の新しい価値観を提示する曲で埋め尽くされているじゃないですか。でも、『愛の賛歌』は、僕たちの親の世代から聴き継がれている、今ほど複雑じゃない時代に歌われたシンプルな愛が描かれていて。それを最後に聴いてもらってみんなに安心して欲しかったんだと思う。そして、この曲でアルバムを閉じることで、僕も安心したかったんだと思う」
――このアルバムは、健さんと政治的なスタンスや人生哲学に、真っ向からかぶりを振る人にも刺さるんじゃないかと思うんです。その先にある共鳴の可能性を秘めていると思う。
「うん。僕ね、時々言われるんですよ。“健さんの考え方に100パーセントは同意できないけど、姿勢は同意できる”とかって。それでいいと思う。僕が脱原発を表明しているからといって、僕の知っている人全員に脱原発を盲目的に唱えてもらいたかっていったら、全然そんなことないから。例えば『You And I, Against The World』の歌詞にもそういう想いを込めてます。俺の考えが間違っていると思うなら、おまえら俺に闘いを挑んで押し掛けてこいよって思う。何もすべて自分を肯定したいがために曲を書いてるわけじゃないから。だから、そうやって捉えてもらえるのはすごくうれしいです」
――最後に。“今のKen Yokoyamaにとってパンクとはなんですか?”と問われたら、なんて答えますか?
「昔よりは一歩引いて、ちゃんと姿勢をもって闘うこと、ですかね。前はその思想自体がユニークであることや独立していることをパンクだと思っていたんですけど。今はもっと根本的なの問題だと思ってます。それが、闘うことなんですね。別に闘うといっても人をグーで殴ることではないんです。しっかりと気を確かにもって、自分に言い聞かせられるか。それだと思います」
――“闘い”と“愛”が同義語になり得ることを提示するアルバムだと思います。
「うん、そうですね。そういうアルバムとして受け止めてもらえるならすごくうれしいです。このアルバムを持ってツアーに出て、ライブでいろんな人の表情を見た時に、僕はそこでまた新しく得るんだと思いますね」

※「AIR JAM」=’97年にHi-STANDARDが中心となり開催した、パンク、メロコア、ミクスチャーを主とした伝説的な音楽フェス。’11年の再始動まで過去3回行われており、カウンターカルチャーとして一大ムーブメントに。


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