エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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パンクスたちが、震災直後に身体を張った
人道的な行動を歌詞に残したいと思った

――Ken Yokoyamaとしてどういうアルバムを作らなきゃいけないと思いながら本作の制作に向かいましたか?
「いろいろ迷いました。時間軸を追って話をすると、東北をフリーライブで回って、自分を求めてくれるやつに120パーセントの気持ちを返していって。Ken Bandのライブを継続しながら、平行して『AIR JAM』やBBQ CHICKENSでも動いて。でも、ある時に新曲のネタがひとつも浮かんでないことに気付いたんです。全然曲が書けない。その理由もわからなかったんですよね」
――目の前の人や事象に必死で向き合っていた分、沸き起こったさまざまな感情を整理するのはむずかしかったのかもしれないですね。
「そうですね。全然気持ちの整理が付かなくて。それで、ライブを止めてアルバムの制作期間を設けたんです。そんなことは自分にとって初めてでした。今までは何をしていても曲は書けたし、ミュージシャンなら息を吐くように曲を書いてライブするというのが自分のスタンスだったので。だから情けなく思ったんですけど。でも、このままじゃいつまで経っても行き詰まったままだから、“いったん全部を止めさせてくれ”ってスタッフに話して。そこから何年続くかわからない制作期間に入ったんです。でも、半年で済んだんですよね。それくらい集中していた。家族を悩ますくらい(笑)」
――『Ricky Punks Ⅲ』は、健さんの更新された今のパンクス像がそのまま描かれている。
「そうですね。『Ricky Punks Ⅲ』は、当初、僕の周りにいるパンクスと言われている仲間たちが、震災直後に身体を張った人道的な行動を起こしたことを歌詞に残したいと思ったんです。でも、最終的には自分自身のことを書いてましたね。『Ricky Punks』シリーズは、『Ⅰ』も『Ⅱ』もカッコ悪いパンクスを自虐的に描いてきて。でも、今回の『Ⅲ』ではRickyに震災後のパンクスの動きを体現してもらいたかった。それで、今まで皮肉を書いてきたはずが、最終的に自分のことを歌っていたというオチになったんですよね」
――意図的ではなく、必然的にそうなった。
「そうですね。ラストの“車の窓から外をみる 粉々に砕かれた土地 次々と被災地に向かう車達 涙が止まらなかった 涙が止まらなかった”という歌詞は、一旦曲ができた後に書き足したんです。ここに自分自身を投影させるしかないと思った」
――Rickyはこれからどうなっていくと思いますか?
「どうなるんですかね? あとはもう人を刺すしかないんじゃないかと思ってるんですけど(笑)」
――あははははは。
「破綻に向かうんじゃないかと(笑)。わからないですね。名前を変えて、違うパンクスの物語を描くかもしれないし。でも、Rickyが自分にとって愛すべきキャラクターになったのは間違いないです

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