エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

FLYING POSTMAN PRESS

「物語をただ転がるままにしない。舵取りが大事なんですよ」

『009 RE:CYBORG』の総指揮を執った神山健治監督にインタビュー。物語の着想や、クリエイターとしての姿勢、原作への想い、今回の映画に込めた想いを語ってくれた。

――『009 RE:CYBOYG』の舞台を“現代”にした意図とは?
「今は自分とその物語との間に関連性がなければ、なかなかその物語の世界に入っていけないという方が増えていると思うんです。例えば、原作では地下帝国と戦うというような、ファンタジックな設定も多かったんですが、“地下帝国とサイボーグたちが戦う”と言われても、“自分には関係ない”と思う方が今は多いのかなと。原作でもベトナム戦争を背景に、戦争を商売の道具にしている悪の組織と戦うというストーリーがありますけど、今回はどちらかと言うと、そっちの路線ですね。舞台を現代にして、同時多発テロをモチーフに社会的接点を作ったり、主人公のジョーを高校生にしたり。そうやって今の現実とリンクできたら、物語というものは勝手に転がっていくんですよ。“今こんなことが起こったら、こう反応するよね”と、そんなふうに。だから気を付けなきゃいけない。知らない間に獲得目標から逸れてしまうこともありますから」
――獲得目標と言うと?
「例えばスポーツ選手で言ったら勝利だと思うんですが、映画は勝ち負けではないですからね。“お客さんにどう思ってもらいたいか”ということが獲得目標になります。物語をただ転がるままにすると、その獲得目標とは違うところ、つまり、お客さんに満足してもらえない方向に行ってしまう。舵取りが大事なんですよ」

PR

FLYING POSTMAN PRESSは全国5都市で配布しています。