エンターテインメントフリーペーパー FLYING POSTMAN PRESS

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前作『TWIST』から約2年。アレンジを排したリフ主体のロックンロールに回帰した矢沢永吉が、初期衝動と円熟を同時に鳴らすニューアルバムを完成させた。タイトルは『Last Song』。デビュー40周年を記念して、9/1には日産スタジアムで6万5千人を動員するライブを控える彼がタイトルに込めた想いとは果たして…?

自分を維持する意味で音楽を止められない

――’72年にロックバンド、キャロルでのデビューから今年で40周年。今はどんなお気持ちでいらっしゃいますか?
「振り返ると、あっという間だったかな。ただ、僕に限らずミュージシャンやシンガーというのは、時期がきたらニューアルバムを作り、そのリリース前にはインタビューに次ぐインタビュー。そして、リリース後は街から街へとまわってライブをして、ライブの後はその疲れを癒やすために酒を飲んだりね(笑)。まあ酒はガソリンみたいなものですね。“矢沢さん、どんなふうに飲むんですか?”ってよく聞かれるんだけど、“僕はベロベロに酔っ払うんです”って答えるんですよ。僕は酒に飲まれない程度にたしなんで、ピシっとしているっていうような中途半端な飲み方は嫌いなんです。だから、周りにはかなり迷惑をかけたかな(笑)。そして、ドーンと飲まれるように酒を飲んで、また次の日は新しい街へ行く…その繰り返しを毎年毎年やってきたのね。(’07年12月16日に100回目の公演を達成した)武道館ライブにしてもそうですよ。回数は意識せずにやってきて、“いよいよ武道館も100回目ですね”ってまわりから言われて、初めて“あ、100回目なんだ? よくやってこれたな”って思ったんですけど、40周年というのもそれと一緒ですよ」
――長きに渡って音楽を続けられてきた原動力についてはいかがですか? かつて矢沢さんがおっしゃった、「銭は正義だ」という言葉に象徴される成功への強い意志。それが金銭的にも精神的にも満たされた今、何が矢沢さんを駆り立てているんですか?
「ミュージシャンの中でも、確かに僕は“サクセスしたい”とか“お金が欲しい”とか、そういうことをものすごく口にしてきました。それはやっぱり口にすることで自分を追い込むことでもあるし、“サクセスを手にしたい”とか“いい車に乗りたい”とか、そういう目標はわかりやすい。そう思ったら、目標に向かって人間は走るもんね。そう口にすることは欧米では普通のことだしものすごく正しいんだけど、日本の文化、日本人の視点からすると、お金のことを口に出さないほうがいいっていう風潮があるじゃないですか? だから、一番最初に僕がそう口にした時にはびっくりした人もいっぱいいたとは思いますよ。でも時と共にそういう日本の風潮も変わって、ようやくそういうことが一般的になってきた。でも今はね…そう、確かに言われた通りですよ。ミック・ジャガーでも、エアロスミスでもお金では音楽をやってないと思うんですけど、彼らも自分を維持する意味で音楽を止められないんじゃないですか?」

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