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ある意味、今回のアルバムは福原美穂の哲学

「最近、“今って、何聴いても一緒じゃん”っていう意見をよく耳にするんですよ。友だちと喋ってても、“誰が歌っても一緒みたいな曲ばかりだよね”って。そういうのを打破したいという気持ちもありました。音楽家として、そこから突出した強いものを出したいなって。私はこれまで“自分って何なんだろう?”ってことと常に向き合いながら、今表現できることと、これは無理だろうってところに挑戦するふたつの気持ちを軸にしてきたんですね。でも今回は、さらに3段階ぐらい上の場所をめざして立ち向かって行かないといけないと思った。それくらいの気持ちを持って、ワールドスタンダードなものを作りたいと思ったんです」

――どの曲にも、その揺るぎない気持ちが反映されてますね。
「ある意味、今回のアルバムは福原美穂の哲学みたいな感じかもしれません。歌詞の対象はそれぞれ違うし、誰かのために作ってたりもするんだけど、やっぱり伝えたいことや届けたいことがちゃんと出てると思います。これがどうみなさんに届くかはわからないですが、どう届いても構わないっていう自信というか強さも、前よりずっとあると思ってます」
――その“伝えたいこと”のベースになったのはどういうものだったんでしょうか?
「やっぱり、3.11の震災というのは自分にも大きく影響しています。その時はロスにいたんですが、帰国後も余震が続いていましたから、とりあえずギターだけは玄関に置いてました。いろんなことを考えたけど、とにかくシンプルに音楽と向き合いたいなって思ったんです。できる場所があるんだったら、そこで精一杯やりたいし、楽しみたい。歌を録っててもそうでしたね。一瞬一瞬のタイム感とか、“明日どうなるかわからないんだから今日出してしまおう!”っていう想いで毎日過ごしてきました」
――なるほど、そういう意味での爆発力でもあるんですね。先ほど“ソウルミュージックは日常を忘れさせてくれる”というお話がありましたが、今回のアルバムからは、そういった解放感や高揚感と共に、心の叫びとしてのソウルも伝わってきます。
「歌詞の部分は特にそうかもしれないですね。誰かに向けて作ってはいるんだけど、それって結局自分と向き合うことになっていたりして、“私って実はこういうことを思ってたんだ”って気付かされる部分もありました。曲が持ってるキーワードだったり映像みたいな部分から、本当にもう感覚的に、だけど必然的に言葉を見つけながら書いていったんですが、どの曲もちゃんと筋は通っている。“私のメッセージはここにある”って思えるものになりましたね」
――作品が1枚完成しただけじゃなく、福原さん自身にとっても確かな手応えを残した作業だったようですね。
「はい。ちなみにアルバムでもさまざまなアーティストの方々にも参加していただいたんですけど、本当にたくさんの人の力があって完成したと思いましたね。特に海外のアーティストとのコラボが実現したのは、海外で活躍する日本人の方との繫がりからなんです。お相手の発表は楽しみにしていてください! 日本人としての自分というものもすごく考えましたし、日本人として海外でもっと力を試してみたいって気持ちも大きくなった。でもそれ以上に、こんなにもたくさんの人との出会いからこのアルバムが完成したことを思うと、人はひとりじゃ生きていけないんだなって改めて思ったり…」
――ワールドスタンダードをめざすという意味では、日本人としての力を見つめ直したことも大きな一歩ですね。
「そうですね。日本人の力、日本人の繫がり…。今年はきっといいことがあるぞ! って予感がしてたんですけど、このアルバムを聴いて下さった方にも、このいいヴァイブスが伝わればいいなと思います。自分のルーツであるソウルミュージックってなんだろうと考えて出てきたものもあれば、今のR&Bとして挑戦してるトラックもありますし、ロックテイストなものもある。私というフィルターを通して生まれてきたたくさんの音楽が詰まってます」
――福原さんは現在、ドラマ『カエルの王女さま』にも出演されてますから、このアルバムはもちろん、次のツアーにはいろんな方が足を運ばれると思いますよ。
「ドラマで私を知って下さった方はギャップにビックリするでしょうね(笑)。でも次のツアーは私もすごく楽しみなんです。自分の人間性とかもそうだけど、これまで私が見てきたソウルミュージックのレジェンドたちが与えてくれた喜びみたいなものを少しでも伝えられるようなステージにしたいと思ってます。最高のソウルを、持って帰ってもらえたらいいなと思います」

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